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「後払い」は“情弱向けサービス”なのか CASHの光本氏に直撃旅行後払いの「TRAVEL Now」も話題(2/3 ページ)

広がりを見せる「後払い」系サービス。その1つ、旅行代金が後払いできる「TRAVEL Now」の運営会社CEOで、CASHも仕掛けた光本氏に是非を直撃した。

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「消費者は圧倒的に頭がいい」

――確かにTRAVEL Nowのシステムはクリーンですが、加えて極めて「スムーズ」だとも感じます。お金をあまり持たない若年層が、先払いに比べて余計な手数料や延滞リスクなどが発生していることを深く認識せず、「お手軽」に後払いを使っているとすれば、ちょっと心配な感じもします。

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バンクCEOの光本勇介氏。打ち出したサービスの1つ、売りたい物の写真をスマホで撮影して送るとお金が振り込まれる「CASH」は、さまざまな議論を呼んだ

光本: 私たちがいただいている手数料もサイト上に開示しています。紛らわしかったり隠している部分はありません。取材などでも堂々とうたっています。

 私たちの売り方が、正解だ、正しい、とも思っていません。ただ、一定のカテゴリーの人に対しては、得だとか便利だとか思っていただけて、そういった層がもしかしたらそれなりにいるかもしれないため、結果的に一定の市場が作れるのでは、と思っています。

――一部報道では、他の後払い系サービスを巡って、支払い能力の無い若年層が「使いすぎ」で苦しんでいるケースも既に出ています。後払いサービスについて、いわゆるツケやローンといったシステムをあまり理解していない、言い方は悪いですがネットスラングで言うところの「情報弱者(情弱)」向けではないかという声も聞かれますが、いかがでしょうか?

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TRAVEL Nowのアプリ(イメージ画像。BANK提供)

光本: 私は、消費者は「圧倒的に頭がいい」と思っています。そんな(「情弱」向けのような)サービスは市場から淘汰されると思う。中長期的には残っていかないと感じます。私の個人的な考えかもしれません。だが、だましているという言葉は嫌らしいので使いたくないのですが、「消費者をだましている」ようなサービスは、中長期的な観点では残っていかないと思います。

 そして、私たちのサービスを分かっていない人に押し売りはしないし、買っていただく必要もない、と思っている。でないと、継続的に事業は伸びないと感じます。

 TRAVEL Nowについても、「株式会社として利益は得なくてはいけないので、この〇%を(料金に)上乗せしています。なぜなら事業としてやっているから」などと、提示させていただいている。

――その通りだとも感じる反面、日本では資産の大半を高齢者が所有しています。手持ちの資産が無い人向けに主に支持されるであろう、こうした後払い系サービスが、“アンハッピー”なユーザーを増やすという未来は、考えられないのでしょうか?

光本: 5〜10年後に答えは出ると思います。消費者が、それ(後払い系サービス)を継続的に求めるのか、求めないのか。私は、「消費者はものすごく頭がいい」と思っているので、「これは違うな」と思われたら、そのサービスは継続的には使われないと思う。結局、市場から排除されるでしょう。(判断するのは)市場であり、私たちが判断することでも、メディアが判断することでもないと思います。

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