大前研一が息子たちに施した「21世紀型教育」とは?――「先生の言うことを聞くのよ」と言ってはいけない:大前研一大いに吠える!【後編】(4/6 ページ)
大前研一が勉強しない日本人について大いに吠える!
独立する場合は繰り返しトライしてみる
この辺で、会場の皆さんから、質問やご意見を伺いたいと思います。
男性: いまのお話、非常にその通りだと思いながら聞きました。若干ずれるかもしれませんが、日本の企業の場合、これまでのやり方をなかなか変えていくのが難しいと感じています。説明してもなかなか賛同が得られません。企業を内部から変えていくにはどういうことが必要でしょうか。
大前: 冷たい言い方をしたら、変わらない会社にいつまでもいるのはやめたほうがいいと思います(笑)。もちろんBBTにも、会社の中で新しいことをやろうというコースを提供しています。まずは会社をやめることを考えないで、会社を変えていく。変えるための戦略などを自分で練って、会社の人材とか資金力を頼りにしながら、会社を変えることを一生懸命目指そうというコースですね。
会社で働く人間としては、会社全体をみて、自分はこういうことを会社の中で提案してやりたいと思いますよね。それを思い付きじゃなくて、戦略計画、事業計画、資金計画、人材計画みたいなものを練っておいて、会社の中でディスカッションする機会を狙うのはいいことです。
いくら提案しても会社が変わらない、という場合には、自分で独立することを考えて計画を作ればいいと思います。
新しい事業をする場合にも、繰り返し学ぶリカレント教育は必要です。まずは会社から給料をもらっている間に、奥さんとか別の人と1つ会社を作る。うまくいかなかったら、2つ目の会社を作ってみる。3回やってだめだったら、諦めて従順なサラリーマンになればいいんです(笑)。
いまは会社で働いていても、働き方改革の影響もあって、結構空いた時間ができます。その時間を活用して、何か事業を始めてみる手はあります。5年くらいをめどに1個ずつやってみるという感じでしょうか。少なくとも3個くらいやってみれば、実績ができてきます。そうなると結構高い確率で成功します。
私が優れた経営者として紹介する人たちも、みんなそのパターンですよ。貸会議室で日本一の会社になったTKPの河野貴輝さんも、クラウドワークスの吉田浩一郎さんも、試行錯誤を繰り返して現在の成功があります。
うまくいき始めると、そこから先はスピード感が大事です。TKPは貸会議室のシェアを、クラウドワークスの場合は登録者を多く取ることが勝ちになります。彼らのスピード感は、私も眼を見張るものがあります。
吉田さんはこの前どこかで「ソフトバンクを抜く」なんて言っていました。そこまで言わないでよ、と思いましたけど。やっぱりね、そこまで言っちゃいけない(笑)
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