コラム
太陽光ベンチャーを倒産に追い込んだ“制度の壁”――急成長企業の未熟さも足かせに:あなたの会社は大丈夫? 『倒産の前兆』を探る(4)(2/3 ページ)
成功には決まったパターンが存在しないが、失敗には『公式』がある。どこにでもある普通の企業はなぜ倒産への道をたどったのだろうか。存続と倒産の分岐点になる「些細な出来事=前兆」にスポットを当て、「企業存続のための教訓」を探る。
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国の「制度見直し」が逆風に “おしゃれ”な代表者
しかし、ここに制度の壁が立ちはだかる。電現ソリューションの新規ビジネスモデルが発足した矢先の14年4月、経済産業省・資源エネルギー庁は、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度の見直しを行ったのだ。
その見直しでは、原則として「分割案件」を以後認定しないこととされた。
ここでいう「分割案件」とは、大規模設備を意図的に小規模に分割したものを指す。大規模設備では、安全規制や確保規制などが厳しくなる。それを逃れる目的で意図的に設備を分割する業者がいることを指摘されており、分割案件は、「原則ナシ」となったのだ。
すでに説明したように、電現ソリューションの新規事業「ソーラーマーケット」の最大のポイントは、太陽光発電システムを設立した土地の分譲販売だった。そこへ「分割案件は原則認めない」という制度見直しがなされたため、従前の個人投資家向けの分譲販売は困難となる。メガソーラー全体での販売となると数億円規模であり、購入者は企業となる。当然、商談の進め方も変えなければならなかった。
と同時に、一部では、電現ソリューション代表者の立ち居振る舞いなどに、眉をしかめる向きもあったと聞かれる。ファッションセンスの違いだろうが、オールドビジネスたるエネルギー業界で「おしゃれ」を前面に出すと、相手方は受け入れづらかったのかもしれない。
急成長企業にありがちな、社内体制の不備も散見された。
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