緑色の麺は「7年越しの悲願」 幸楽苑とユーグレナが開発した「サステナ食」とは?:夏に必要な栄養たっぷり
幸楽苑がユーグレナと共同開発のつけめんを発売。最大の特徴は緑色の麺。8月20日から期間限定で9月1日まで販売。期間中の売り上げ目標は15万食。
幸楽苑は8月20日、海藻類などの開発・生産を行うユーグレナ(東京都港区)とコラボレーションした商品の「栄養バランスが良いユーグレナつけめん」(税込850円)を発売する。9月1日までの期間限定で、国内全502店舗にて販売する。
両社は、サスティナブル(持続可能)な飲食業の実現に向けて、体に優しく環境に配慮した取り組みを共同で展開する。今回のユーグレナつけめんは、その第1弾となる商品。
幸楽苑ホールディングスの新井田昇社長によると「環境・社会・経済の3点から企業価値を向上させていきたい。この観点からユーグレナのビジョンに共感し、今回の共同プロジェクトに至った」とのこと。
最大の特徴は緑色をした麺。通常の黄色い中華麺に加えて、ユーグレナつけめんには緑色の麺も使用している。「ミドリムシ」として知られるユーグレナと、海藻の一種であるクロレラを使用しており、ビタミンやミネラルを豊富に含む、いわば「サステナ食」だ。ユーグレナの出雲充社長によると「ユーグレナには人間に必要な59種類の栄養素が含まれている」とのこと。今回のユーグレナつけめんにも、ナルト10枚分の鉄分と、小松菜17束分のビタミンB1が含まれているという。スープは、さっぱり系つけめんダレと、魚のだしを使用した節系濃厚魚介つけめんダレの2種類。麺も2玉使用しており、お昼時のサラリーマンや、複数人の女性グループの注文を見込む。
コラボの構想は7年ほど前にあったが、当時は新井田社長がまだ常務だったこともあり、実現には至らなかった。「お互いの立場も変わり、いいタイミングで実現できた」と両氏は語った。
また、両氏は今回の取り組みが国連の策定する「持続可能な開発目標(SDGs)」に沿ったものであることを強調。取り組みでは「健康」と「環境」の2点に焦点を当てる。今回のユーグレナつけめんは主に健康を意識したものだ。一方、環境については、「フードロス」を新井田社長は挙げた。各工場や店舗における食べ残しの削減などを念頭に置いており、その他の問題も含めて現在は「協議段階である」という。
新井田社長は「産業の枠を超えて業界を変えていきたい。自分の中には『やってみないとわからない』という思いがある。そこで、出雲社長となら素晴らしい相乗効果が期待できると思った」とし、「最初で最後となるのではなく、次回以降も(コラボを)検討していきたい」と語った。これに対し出雲社長は、「今回の取り組みの意義はオープンイノベーションにある」とし、次回以降の取り組みにも意欲を見せた。
販売期間中の売り上げ目標は15万食。売り上げが好調だった場合には、販売期間の延長も検討するという。両社の取り組みは、お客にどのように受け止められるだろうか。
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