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7pay問題に潜む病巣――日本のIT業界で是正されない「多重下請け構造」必ずまた起きる(3/5 ページ)

7pay問題は必ずまた起きる――。日本のIT業界の根本的課題である「多重下請け構造」という病巣に迫った。

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教授の推薦状だけで内定

――どのような取り組みでしょうか。

 理系の学生の場合、基本的に教授の推薦状があれば、面接などの選考はせずに内定を出します。学生が学業に専念できるように、私たちにできることはないだろうかと考えた結果です。2020年入社の学生から始めました。現時点で12人に内定を出しています。

――教授の推薦状だけで内定を出す企業はあまり聞いたことがありません。同じ方法をとっている企業は他にありますか。

 ないと思います。私は教授の推薦状には、理工系の大学で学んだことの価値が示されていると思います。それを担保に採用して育てていきたい。なぜすぐに辞めるかというと、職業観ができていないからでしょう。将来どうなりたいのかも分からないけど、なんとなく決めたために、あっさりやめるのだと思います。そうならないように、その人が進むべき道を、一緒に探していきます。

――学生と一緒に探していくというのは、どういうことでしょうか。

 2019年度から、これからの時代に価値を生むエンジニアを育成する「Laseek Project(ラシークプロジェクト)」を始めました。「Laseek」は英語で探すという意味の「seek」と、日本語の「らしく」を組み合わせた造語です。自分らしく働ける場所を提供したいという意味を込めています。

 具体的には、秋葉原の駅前にあり、現在増設工事をしている研修施設「A-LABO」で、社員だけでなく、学生に対しても3つのプログラムを提供する予定です。

 プログラムは、職業観醸成コースと、資格取得コース。それに将来起業家になりたい人を支援するコースです。基本的に学生は無料で、大学1年生から学べます。当社に入社することを前提としない学生も受講できます。

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研修施設「A-LABO」の様子(以下、写真はセントラルエンジニアリング提供)
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