変化の時代のチームの形は「映画スタジオ」 新規事業作りに必要な“名脇役”とは:【対談】留目真伸氏×本田哲也氏(後編)(5/5 ページ)
新産業の創出に取り組む留目真伸氏と、PRの専門家として活躍する本田哲也氏が「変化の時代のチーム作り」について語る対談後編。柔軟な組織やチームで課題を解決するために、企業や個人はどんなことができるのか。
留目: 先ほど、「日本の経済はここ数十年でほとんど成長していない」と言いましたが、成長率が低いということは、まだどこかに成長する余地が残っているはずなんです。そこをチャンスと捉えて、いろんな構造を組み直していきたいですよね。
大企業、中小企業、スタートアップを問わず、あるテーマに共感して「こういうものを作ろう」という思いを持った人が、柔軟に集まれるような場を作っていきたいと思います。
本田: 本当に、これからは「会社」か「個人」かといったことや「大企業」か「中小企業」かといったことよりも、「フレキシブル」かそうでないが、重要な競争軸になる時代になるだろうと思います。私自身は、既存のPR会社と対抗するものでも、フリーランスとしての個人事業でもなく、その間になるようなものを作っていきたいですね。
留目: 私は、本気で「100個の新産業」を作りたいと考えています。社会人を25年間やってきた中で小さな成功はありましたが、これからは、新産業を通じて新しい経済成長の仕組みを作りたい。それが僕らの世代の責任でもあると思っています。
その新しい仕組みで主役になるのは、大企業、中小企業、フリーランスにかかわらず「フレキシブル」に働いていく人です。僕はそうした人々を「インタープレナー」と呼んでいるのですが、世の中にある課題を見つけ、それを解決していくことにまっすぐにエネルギーを注げる人が、立場に関わらず主役になれるような場を創っていきたいですね。
本田: 今日お話しをさせていただいて、留目さんを応援する理由が増えました。「新産業」が生まれるときは、これまでなかったものを世の中に認知してもらうためのPRが重要ですからね。PRを手がける人間にとって、これほど喜ばしいことはありません(笑)。
留目: たしかに、新産業が経済成長の基盤となっていく過程では「社会の空気を変えること」が必須ですね。こちらこそ、ぜひよろしくお願いします。
関連記事
- 変化の時代に日本企業が対応できないのはなぜか 製造業の成功がもたらした“落とし穴”
社会の状況がめまぐるしく変化する中、いかに非効率的な働き方を変え、生産性を高めるかが企業にとって大きな課題となっている。そんな中、仕事を進める上で重要な「組織」や「チーム」をどう変えていくべきなのかを、数々の大企業を経て現在は新産業の創出に取り組む留目真伸氏と、PRの専門家として活躍する本田哲也氏について語ってもらった。 - 従来の縦割組織から市役所はどこまで変われるか 全国最年少市長と“公募”女性副市長の改革
- Googleがスタートアップ支援 「Google for Startups Campus」都内に開設
Googleが世界に6拠点展開するスタートアップ支援施設「Google for Startups Campus」を2019年中に都内に開設すると発表した。渋谷駅付近の高層ビル「渋谷ストリーム」内にオープンし、次世代を担う起業家を育てるという。 - アマゾン傘下のクラウドベンダーが、開発者向けコワーキングスペースを運営する理由
共創ビジネスやビジネスコミュニティーを生み出すため、コワーキングスペースを設ける企業が増えてきた。コワーキングスペースの運営は、企業にどんなメリットをもたらしているのか。 - リーダーに大事なのは「IQより愛嬌」? 変革の大敵、“変わりたくない人々”を巻き込む方法
企業の変化を妨げる「変わりたくない人々」。CIOはどうやって彼らを納得させればいいのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.