決済せずに商品を選ぶだけ NTTデータが”レジ無し店舗”出店支援開始 40台のカメラで防犯実験も:23年度末までに1000店舗を目標(2/2 ページ)
NTTデータが、”レジ無し店舗”出店のコンサルティングサービスを開始。レジ無し店舗では、入店時にQRコードの認証をするだけで、レジでの支払いが不要に。商品を手に取りそのまま店を出るだけ。今回のサービスでは、中国のベンチャー企業とタッグを組む。背景にある、NTTデータの課題とは?
数十台のカメラを抑止力に
担当者によると、コンビニ、ドラッグストア、スーパーなど幅広く小売業界での展開を見込む。中でも、親和性が高いのがコンビニだ。会員サービスを提供しているチェーンが多い。レジ無し店舗への入店時にQRコードでの認証を行うことから、こうした会員基盤を持つ業種での出店がしやすいと考えている。また、同様の理由から大学などの構内に入っているテナントや、ホテルやマンションの1階部分に出店している店舗などでの展開も検討している。2022年度末までに1000店舗へ導入するのが目標だ。
なお、店舗に関しては、既存の店舗をリニューアルするのではなく、新規に出店する形をメインとする。出店を希望する企業と、NTTデータの持つテスト店舗「デザインスタジオ」内で行う数段階の実験やフィードバックを繰り返し、店舗の設計を行う。デザインスタジオは、30平方メートルほどの空間に40台程度のカメラを設置。せんだって行われた実験では、複数人での買い物テストなどを行い、特に問題はなかったという。防犯面については「店内に何台もカメラがあるので、それが抑止力になるはず」(NTTデータ担当者)としつつ、店舗のキャパシティーを超えた人数の来店など、カメラで分析しきれなくなるようなケースについては課題とし、企業との実験を繰り返しながら対応策を練る。
今回のサービスでは、お客の”レジ待ち時間”の解消による購買体験の向上だけでなく、小売業界の「働き方改革」も狙う。
人手不足、人件費の高騰や従業員の長時間労働など、小売業界には課題が山積している。レジ無し店舗の導入により、従来必要だったレジ業務から解放されることで店舗運営における人件費の削減なども目指す。
関連記事
- JR赤羽駅のAI無人店舗を体験してみた
店舗で品物を取って出口に向かうと、自動で支払額が計算され、Suicaをタッチすれば支払いが終わる。そんな店舗が、JR赤羽駅にお目見えする。17日から2ヶ月間の実証実験中だ。 - えっ、盗まれないの? 無人の古本屋は、なぜ営業を続けられるのか
東京の三鷹駅から徒歩15分ほどのところに、無人の古本屋がある。広さ2坪のところに、500冊ほどの本が並んでいるだけ。「誰もいなかったら、本が盗まれるのでは?」と思われたかもしれないが、実際はどうなのか。オーナーに話を聞いたところ……。 - 無人コンビニで、どんなモノが売れたのか 1年を振り返る
無人コンビニ「600」が、都内のオフィスでじわじわ増えている。キャッシュレスで商品を購入することができるわけだが、どんなモノが売れているのか。運営会社の社長に、自販機を設置して分かったことを聞いたところ……。 - 100万円で開発した「現金NGのカフェ」が、数年後に増えそうなワケ
秋葉原駅から徒歩5分ほどのところに、キャッシュレスのカフェが登場した。システム開発を手掛けるクラスメソッドが運営しているわけだが、一体どんな店なのか。店内に入って、注文したところ……。 - 話題のサブスク自販機 1日1本で2480円は割高? 強気なプランのワケを担当者に聞く
JR東日本ウォータービジネスが、10月1日から駅ナカ自販機でサブスクリプションサービスを開始する。アプリを通じて、対象のイノベーション自販機から1日1本対象のドリンクをもらえる。プランは月額980円と2480円の2種類。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.