メディアドゥの社長はなぜ、マイノリティーの登用を恐れないのか 情シス部長に50代半ばの女性、ベトナム人採用の背景(3/5 ページ)
情シス部長に50代半ばの女性を登用し、ベトナム人エンジニアを採用する――。メディアドゥホールディングスの社長、藤田恭嗣さんはなぜ、マイノリティーの登用を恐れないのか。
個々の社員の能力を最大化するために取り組んでいること
和田: サステナブルな経営をしていくためには、ダイバーシティも必要な要素だということですね。
藤田: その通りです。大事なのは、社員ひとり一人を個人としてリスペクトし、その人がやりたいこと、できることを、この会社の中でどう最適化できるのか――を考えていくことです。そのためには、それぞれの文化や意識の殻を破って理解し合うことを助ける仕組みや仕掛けが必要になるんです。
だから当社では、昔から成果主義による人事評価を一切しておらず、全て能力主義です。男性か女性かということはもちろん関係ないし、どれだけの成果を上げた、ということも重要ではない。その人が「会社に対してどれだけの能力を発揮してインパクトを与えているか」で評価をしています。
和田: 数字としての成果を上げたかどうかではなく、その人が周りに及ぼす影響などを見ているということでしょうか?
藤田: そうです。事業を作ることは私が担えるという自負があるから、社員に頼る気持ちはあまりないんですよ。ただ、マネジメントに関しては頼りたい。マネジメントで重要なのは、人を大切にできるとか、ちゃんと面倒を見ることができるとか、成果とは関係ないところが多いですよね。
昔から、「人事や総務情報システム部門といった管理部門を一番意識しなければいけない」とも言っています。PL(損益計算書)的な発想だと営業などに目が行きがちですが、管理部門の支えがあって会社が成り立っているわけですから。
事業を作るという部分は私の仕事で、そのプラットフォームの上で売上を上げるという意味での成績はみんなで作っていくものだから、誰かひとりの評価にはなりません。当然、普通ではとれない権利を獲得したとか、個人の力で成されることもあります。それは、権利許諾者から「君だったら任せてもいいよ」といわれるようなレベルに達したということで、能力として評価しますが、成果は全くありません。
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