「韓国人観光客激減」は長い目で見れば、日本のためになる理由:スピン経済の歩き方(4/5 ページ)
日韓の政治バトルによる「嫌日」の高まりから、韓国人観光客が激減している。このような事態を受け、一部の観光地から「早く仲直りしてくれないと困る」といった悲鳴が上がっているが、筆者の窪田氏はどのように見ているのか。長い目で見れば……。
多種多様な国からの観光客を迎え入れる
このあたりは、韓国人観光客をターゲットとして、韓国資本のリゾートホテルや別荘、飲食店、ショッピングセンターなどがいち早く参入した対馬市を見れば分かりやすいだろう。「韓国人観光消費額は平成19年に33,058万円の消費に対して平成24年22,084 円と約33%の減少を示している」(対馬市観光振興推進計画 平成29年3月)というのだ。
つまり、隣国からじゃんじゃん観光客を呼ぶのは、昔から交流もあるのでハードルが低いというメリットがある一方で、隣国の観光業者の参入ハードルも低いので、彼らに観光客のサイフをガッツリともっていかれやすいというデメリットもあるのだ。
最後の(3)「観光と政治が混同される」について、説明はいらないだろう。韓国人観光客への依存度が強い九州では、観光ビジネスとは日韓関係であり、すなわち政治だ。だから、九州選出の国会議員は地元対策として、政府に「韓国と仲良くすべきだ」と訴えるし、韓国の政治家も「日本旅行をボイコットせよ」なんて外交カードにする。
本来、観光というのは民間交流であって、政治などとは切り離されるべきものであることは言うまでもないが、こんな不毛なやりとりを日本はもう何年も続けている。そして、現在のような「韓国依存」が続く限り、この「日韓関係によって乱高下する不安定な観光業」も永遠に続いていくということなのだ。
では、どうすればいいのかというと、先ほども申し上げたように、多種多様な国からの観光客を迎え入れることで、反日デモのような影響を薄めていくのだ。
「現実問題として九州は韓国人観光客が圧倒的に多いのだから、そんなのは机上の空論だ」とすぐに諦めてしまう方も多いが、佐賀県などは、タイ人観光客をターゲットにして「ロケツーリズム」に取り組んで、3年間でタイ人宿泊観光客数を約15倍に増やしたという実績がある。
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