松戸市にあるパン屋で、なぜお客は1800円も使うのか:水曜インタビュー劇場(焼きたて公演)(1/6 ページ)
「パン好きの聖地」と呼ばれている店が、千葉県の松戸市にあるのをご存じだろうか。「Zopf(ツオップ)」である。1個のパンを求めて、朝から行列ができているわけだが、なぜ人はここの商品を食べたいと思うのか。シェフに話を聞いたところ……。
「パン好きの聖地」と呼ばれている店が、千葉県の松戸市にあるのをご存じだろうか。「Zopf(ツオップ)」である。「パンは毎日食べているけれど、食べたことがないなあ」「知らない、知らない。店の名前すら聞いたことがないよ」といった人もいるかもしれないので、店のことを簡単に説明しよう。
ツオップは2000年にオープン。松戸市の駅からクルマを10分ほど走らせると、閑静な住宅地の中に店がある。「いくら『聖地』と呼ばれていても、そんなところにたくさんの客は来ないでしょ」と思われたかもしれないが、違う。店内には300種類ほどのパンが並んでいて、アンパン、カレーパン、クロワッサンなどが飛ぶように売れているのだ。一番人気はアンパンで、1日に1000個以上売れているとか。ちなみに、遠方から来店する人が多く、駐車場は42台分を確保している。
さて、前置きがちょっと長くなってしまったが、これまで郊外でしか買えなかったパンが都市のど真ん中で買えることに。7月10日、東京駅の構内に「Zopfカレーパン専門店」をオープンしたところ、どうなったのか。カレーパンは1個324円(税込)もするのに、売れに売れているのだ。
駅構内のショッピングゾーンは平日午後10時までオープンしているが、カレーパン専門店は「午後5〜6時ころに閉店することが多い」(店の担当者)という。なぜか。1日に2400個以上も売れて、用意していた商品が底をつく。つまり、“閉店ガラガラ”せざるを得ないのである。
東京駅の構内には、たくさんの店が並んでいる。誰もが知る有名なショップも珍しくない中で、なぜカレーパン専門店に人は並ぶのか。また、パン屋はたくさんあるのに、なぜ松戸市にある店は「聖地」と呼ばれるほど、ファンから支持されているのか。その謎を解くために、ツオップの伊原靖友シェフに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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