岐路に立たされた東京モーターショー:池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/4 ページ)
すでに海外メーカーからは完全にそっぽを向かれた東京モーターショー。主催団体である日本自動車工業会(自工会)は、前回にも増して厳しい危機感を持っている。しかし今回は、やり方がとてもトヨタっぽい。クルマ業界だけでなく「オールインダストリー」で広く開催し、未来のモビリティ社会に向けて「オープン」に進化/拡張していくと定義している。
変革の内容
さて、われわれの前に提示された第46回TMSはどうなのか? もちろんそれはまだプランに過ぎない。しかもこの4月からは、東京オリンピック/パラリンピックのために東京ビッグサイトの一部が閉鎖されて会場面積も足りない。
そこで今回のTMSは、有明から青海にかけて「東京臨海高速鉄道」の、国際展示場駅から東京テレポート駅の間約1.5キロにまたがって会場が分割される。東端の「東京ビッグサイト西・南棟」と西端の「東京ビッグサイト青海展示棟」をメイン会場とし、西側に隣接する(といってもあの辺は区画が大きいので歩くと遠いが)TFTビル横の駐車場では2輪4輪の「体験試乗系コンテンツ」が用意される。
そこから「夢の大橋」を含む両会場の連絡路を「OPEN ROAD」と名付け、電動キックボードやセグウェイタイプのパーソナルモビリティ、そして超小型自動車など、現在の自動車移動の下の領域を受け持つ20社77台の乗り物が展示され、その多くを試乗することができる。
これに加えて、Mega Webでは自動車産業のみならず、オールインダストリーで取り組むFUTURE EXPOが開催される。これはCASEをはじめとする先進テクノロジーやサービスを体感できる施設になる。
さて、今回OPENという言葉にふさわしいのは、東西両端の会場に入らない限りチケットが要らないことだ。ただし、試乗系のイベントに際してはチケットが必要になる。しかし4会場のうち2会場とそれを結ぶOPEN ROADは誰でも無料で見ることができる。
こういうオープンなショーはこれまで無かった。もちろん会場の都合という外的な要因はあったにせよ、少なくともプランニング上では変化の兆しは感じられる。あとは現地現場がどうなるかだ。そこは蓋を開けてみてのお楽しみということだろう。入場券を買わずに見られる部分だけでも、あなた自身の目で確認してみてはいかがだろうか?
筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)
1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。
以後、編集プロダクション、グラニテを設立し、クルマのメカニズムと開発思想や社会情勢の結びつきに着目して執筆活動を行う。
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