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陸上の日本記録保持者・為末大がパラリンピックを支援する理由連載「パラリンピックで日本が変わる」(4/6 ページ)

連載「パラリンピックで日本が変わる」第2回目はパラ陸上選手を支援する400メートルハードル日本記録保持者、為末大さんにインタビュー。為末さんは「東京2020大会のパラリンピックは、オリンピックよりも社会に大きなインパクトを与える」と語る。その真意や「パラリンピックを支援する理由」を聞いた。

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東京が高齢化社会のモデルになる

――オリンピックと一緒にパラリンピックの浸透を図るにはどうすればいいと思いますか。

 近代オリンピックを提唱したクーベルタン男爵が語った理念の1つは、若者に対する教育でした。心身ともに健康であるために、教育にスポーツを取り入れる考え方です。だから若くて元気な選手が中心のオリンピックから得られる感動は、ぜひ子どもたちに見てもらいたいと思っています。

 一方のパラリンピックは、高齢化社会がどのような形になっていくのかについて、1つのモデルを見ることができるという気がしています。

 先進国の平均年齢が上がってくると、メインのスポーツは100メートル走ではないですよね。全力疾走は20代くらいまでしかできませんから、鑑賞する対象にしかなりません。

 パラスポーツは、困難を抱えながら過ごしている人によるものです。日本にも実際に、足が痛いとか薬を飲まないといけないとか、健常ではない状態の高齢者がかなりいるはずです。(パラスポーツは)その人たちができなくなったことではなく、できることにフォーカスしていると言えます。

 つまり、パラリンピックの方がより多くの人のシンパシーを得られる可能性があるのではないでしょうか。言葉はよくないかもしれませんが、スポーツをしながら明るく生活しているパラリンピアンの姿を発信することが、高齢化社会を迎える全ての先進国に希望をもたらすメッセージになると思っています。

phot

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