苦戦している日高屋への“刺客”!? 増殖を続ける「中華食堂 一番館」の実力に迫る:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/6 ページ)
新興中華チェーン「中華食堂 一番館」が店舗数を増やしている。商圏が最近苦戦している日高屋と重なる場所もある。デフレ時代に対応するビジネスモデルとは?
メニュー数の多さが特徴
最近、吉野家は牛丼以外にも、定食、ちょい飲みのおつまみ、鰻重、冬の牛鍋などメニューのバリエーションが増えているが、牛丼の専門店としてのイメージが強い。これは「すき家」も同じである。「松屋」はカレーや定食にも定評があるが、そこまでメニュー数が多いイメージはない。
ところが、一番館はメニュー数が実に多く、選べる楽しさがある。例えば、チャーハンだけでも9種類がラインアップされている。メニューには「炒飯」「プリプリ海老炒飯」「焼肉スタミナ炒飯」「うま辛炒飯」「イカと海老チリのオム炒飯」「和風黒炒飯」「唐揚げ炒飯」「麻婆(マーボー)炒飯」「肉あんかけ炒飯」とある。
ラーメンとギョーザは、160円の「ミニらぁ麺」、4個150円の「焼き餃子」の小サイズがあって、安価にチャーハンのお供を付けることもできるのだ。
麺のメニューも、ラーメンが12種類、焼きそば2種類と豊富。丼は5種類あって、焼肉スタミナ丼は黒丼と辛い赤丼の2種類を提供。定食は6種類あるが、鶏唐揚げはたれを中華風・マヨダレ・黒酢から選べるのが特徴である。
ギョーザも「焼き餃子」「肉汁大餃子」「水餃子」と3種類ある。焼き餃子が野菜多めなのに対して、肉汁大餃子は肉が多めの違った味となっている。
お酒も、200円の酎ハイのバリエーションが7種類、ハイボールのバリエーションが4種類あるのが目立つ。例えば、レモンサワーは200円だ。何も入れない酎ハイやハイボールは100円である。
「豆苗炒め」「ヨダレ鶏」「バンバンジー」のような本格的な中華メニューもカジュアルに楽しむことが可能で、定食にも仕立てられる。
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