社長自らお店でゴシゴシ ローソンがトイレ掃除に注力している理由:記者会見で強調(1/2 ページ)
ローソンの竹増社長は、決算会見で何度かトイレ掃除について言及。店舗を訪れた際、トイレに直行して掃除をすることもあるという。トイレ掃除に大きな意義を見いだす日本の経営者は少なくない。
ローソンの竹増貞信社長がトイレ掃除の重要性をアピールしている。10月9日に行われた2020年2月期第2四半期決算発表会見では、重点的な施策を紹介する際に「笑顔の接客とトイレ掃除を徹底的にすることで、お客さまに気持ちよく店舗を利用していただく」という趣旨の発言をした。
竹増社長は店舗の実情を確認し、オーナーからさまざまな要望を聞き取るため、年間約500店舗を訪問している。店舗に足を踏み入れるとまずトイレに向かい、自ら掃除をすることもあるという。実際、トイレ掃除をしている写真を見ると、便器の縁の裏まで丁寧にふき取っている姿が確認できる。
一般的に、店舗経営ではQSCが重要だとされている。QSCは、Quality(クオリティー)、Service(サービス)、Cleanliness(クレンリネス)の略だ。ローソンではService(接客)とCleanliness(清掃)の改善強化を掲げている。「あの店は店員さんが親切だし、トイレもきれいだから何度でも通いたい」とお客に印象付けるのが目的だ。
お客がトイレを使うたびに掃除をする店舗
会見では、トイレ掃除に関わる興味深いエピソードも紹介された。ローソンでは、8月から横浜市で深夜省人化店舗を実験的に運営している。午前0〜5時まで店舗内を無人状態にするもので、多くのメディアが取材に殺到した。
竹増社長によると、「注目されている店舗」ということで、店長やスタッフの士気が上昇。お客がトイレを利用するたびに掃除をするようになった。また、その他の面でもサービスを向上させた結果、店舗の売り上げが大きく伸びたという。一般的にトイレ掃除は「1時間ごと」「2時間ごと」と定期的に行うことが多いが、頻繁に行うことでお客の満足度は上がりやすくなるようだ。
関連記事
- 「なぜ売れるか分からない」 ドンキ化したファミマの人気商品に幹部が困惑
ドン・キホーテのノウハウを取り入れた共同実験店が6月にオープンした。店舗の売れ筋商品を分析したところ、ある商品が上位に食い込んだ。ファミマの幹部は「なぜ売れるのか分からない」と原因を分析しきれていない。 - 価格がコロコロ変わる! ビックカメラが「電子棚札」を導入したら何が見えてきたのか
ビックカメラでは自動で価格が変わる「電子棚札」の導入を進めている。全店に展開する予定で大手チェーンでは珍しい動きだ。実際に導入してどんな効果が出てきたのか、店舗に行ってみた。 - 「100円×3個=301円」問題でセブンが公式に謝罪 見習うべきは「イオン方式」か
「税込100円×3個=301円」問題で混乱が起きたセブン。お客が困惑した根本原因は事前告知が不足していたことだ。ただ、イオンが採用する価格表記を採用する道もあったかもしれない。 - セブン「1000店閉店、移転」はドミナント戦略の限界か
セブン-イレブンが2019年下期以降、1000店舗を閉店・移転すると発表した。街中にコンビニがあふれているので、「そりゃあそうだろう。ちょっと減らしたほうがいいよ」と思われたもしれないが、筆者の窪田氏は違う見方をしている。それは……。 - スーパーでよく聞く「ポポーポポポポ」 18年たっても愛される理由
スーパーの売り場などでよく聞く「ポポーポポポポ」という曲。それを流しているのは「呼び込み君」という小型の機器だ。2000年に発売され、18年目を迎える呼び込み君が使われ続けるのはなぜか。製造販売する群馬電機に聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.