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ANA社員が「女子高生バレーチーム」の監督に!? 謎の人材育成プログラム「文武両道場」に潜入人気の強制「修羅場」道場に密着【前編】(3/4 ページ)

企業から派遣された受講生が2日間にわたってバレーボールチームを監督として率い、マネジメント能力を高める「文武両道場」という人材育成プログラムがある。全日本空輸(ANA)やそのグループ会社、横河レンタ・リース、日本財団、茨城県などの社員や職員が参加したこのプログラムに密着した。参加企業の狙いはどこにあるのか?

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学生の中にも生まれる「チーム観」

 もちろん、大学生にとっても学びは多い。参加していた成蹊大学1年の黒木風花さんは、こんな話をしてくれた。

 「普段はキャプテンをやるようなタイプじゃないけど、このチームでは下の子しかいないので自分がやるしかないなって。知らない人たちがいきなり集まったのに仲良くなれて、バレーの力を感じました。これから大学でも上級生になっていくので、この経験は役に立つと思います」

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成蹊大学1年の黒木風花さん

 また、別の大学生(2年生)は体育の教員を目指しているといい、「教員目線の勉強になる」と話していた。最年少では高校1年生の参加者もいた。新宿高校の遠藤菜々花さんと田中あり紗さんは「チームが悪い雰囲気になったときにも先輩方は1人1人を見て声を掛けてくれていた。名前を覚えるためにゲームをしたり、チームを盛り上げるために何をすればいいのか教えてくれた」と笑顔で口を揃える。

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新宿高校の遠藤菜々花さんと田中あり紗さん

 このプログラムは、普段の部活動を指揮している指導者にも気付きを与える。これまで自分が行ってきた指導法は果たして正しかったのか。時に選手たちの意外な素顔を目にしながら、よりよい指導のあり方を考えるきっかけになるのだ。

 取材に訪れた際、講師陣が注目している一人の受講生がいた。ANAグループから参加していた山谷宏美さんだ。空港にあるラウンジのオペレーションを統括している立場で、5人の部下を持つ。

 「スポーツをやったことがない」という山谷さんは、プログラム初日、戸惑うことばかりだったという。20歳ほども年齢の離れた大学生や高校生のチームをいきなり預かり、「何もできなくて苦しかった」。単独で監督を任された山谷さんは、バレー未経験であることを引け目に感じていたこともあって、動くに動けず、選手たちの自主性に任せることにした。

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ANAから参加していた山谷宏美さん
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山谷宏美さんは大学生チームの監督を笑顔で務めていた

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