日本MSが「週休3日制」の社内調査を発表 「顧客は営業日なのに自分だけ休むのは……」へのフォローは?:経営面から3つの気付き(2/3 ページ)
日本マイクロソフト(日本MS)は10月31日、「週休3日」などが軸となった取り組み「ワークライフチョイス チャレンジ2019夏」の成果報告会を行った。同会では、社員からのフィードバックや経営視点から得られた気付きなどが発表された。
「週休3日」で生産性は向上した?
効果測定では、12年から同社が価値判断基準として設定している「削減」「向上」「満足」から19年8月における各項目をチェックした。
削減面では、就業日数や印刷枚数、電力消費量などの項目を測定。「月あたり就業日数」では、週休3日制度の導入もあり、18年8月と比較して、19年8月は25.4%減少した。同制度は「利用の強制ではなく、あくまで選択肢を用意したもの」(手島常務)と強調されたが、ほとんどの人が制度を活用した形だ。「月あたり印刷枚数」では、「10年前と比較して93%減った」(小柳津氏)とされる16年8月と比較して、19年8月にはさらに58.7%も減少した。
ただ、何でもかんでも削減、減少させるだけでは成長することはできない。向上面ではどうだったのだろうか。「“8月”労働生産性」では、前年同期と比較して19年8月では39.9%もの向上が見られた。「各社員の責任範囲や営業目標は変えていない」(小柳津氏)中で、より効率的な業務へのシフトが進んだ形となった。広報担当者によると、「メールや紙の削減以外にも、営業ではお客さまのところからいちいち帰社してまた出掛けるのではなく、お客さまのところからお客さまのところへ移動するケースも増えた」と分析している。
仕事面に関する「For Work」、プライベートに関する「For Life」、社会貢献や地域活動に関する「For Society」の3項目について社員向けに実施したアンケートでも、おおむね肯定的な意見が目立った。ただ、For Societyでは「意識や行動に変化無し」と回答した人の割合が他の2つよりも高かったため、今後の課題として挙げた。
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