『ろくでなしBLUES』作者・森田まさのりが語る「『べしゃり暮らし』は一生描き続ける」宣言の真意:森田まさのりの肖像【後編】(5/5 ページ)
累計発行部数5000万部を超える漫画『ろくでなしBLUES』著者の森田まさのりさんが、『べしゃる漫画家』の出版イベントで、『ろくでなしBLUES』にまつわる秘話などを語った。森田さんはなぜ50歳を過ぎてから漫才コンクールの「M-1グランプリ」に出場したのか? 前後編で余すところなくお届けする。
いくつになってもスタートは切れる
この後、森田さんと長田悠幸さんの漫才コンビ「漫画家」は急きょ来場者の前で新ネタを披露。会場は大盛り上がりとなった。
10月1日、写真家のタカハシアキラさんはM-1グランプリ1回戦に出場した。記者はこの1回戦を観戦。お笑い芸人のEXITなど強者たちが出場する中、タカハシさんは見事1回戦を突破し、10月22日に2回戦に進んだ。結果は敗退。しかし記者はタカハシさんの堂々たる漫談を目の当たりにした。
『べしゃる漫画家』にはタカハシさんが森田さんの作業風景に密着し、これまであまり見せてこなかった「漫画家・森田まさのり」の鬼気迫る表情を収めている。この書籍を制作するに当たって、森田さんのどの部分を撮影したかったのかを聞いてみた。
「普段は優しい森田先生の仕事に対するストイックさや情熱を撮りたいと考えていました。森田先生は、人を笑わせる芸人の裏側のドラマを伝えたいと常々おっしゃっています。だから私はそんな先生の裏側のドラマをカメラに収めたいという思いで取材をしていました。
この書籍を通して、読者の夢を後押ししたり、叶わなかった夢を思い返して、それが例えばプロの世界ではなく、アマチュアや趣味の世界であっても、続けていく意志に影響を与えたりする1冊になれば本当にうれしいです。森田先生は50歳を過ぎてからM-1に出場してベストアマチュア賞を受賞しました。いくつになってもスタートを切れるという事実を伝えたい」
タカハシさんは長年続けていたアニメーターから写真家に転身した。森田さんだけでなく、写真家タカハシさんの今後の活躍にも注目だ。
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