AIが選んだ「美味しいラーメン店ランキング」都内版が発表 どんな結果に?:背景にヤラセレビュー問題
都内のラーメン店を対象とした、AIが選ぶラーメン店ランキングが発表された。発表したのは東大発ベンチャー企業のTDAI Lab。Google上のレビューを基に、同社のデータ分析サービスを使い、信頼性の低いとされるものなどを省き、再度ランク付けした。背景にはヤラセのレビューの問題がある。
東京大学の出身者が立ち上げた人工知能(AI)ベンチャーのTDAI Lab(東京都中央区)は11月12日、自社のサービスであるオンラインレビュー信頼性スコアリングAI「WISE REVIEW」を使い、「AIが選ぶ本当に美味しいラーメン百名店in東京2019」を発表した。
東京都内のラーメン店を、Google上のレビューから分析。過去に5件以上レビューを投稿したことのある人が行ったレビューが100件以上ある店を対象にした。2019年1月1日以降のレビューを基に評価を行った。
それぞれの店について、Google上のレビューを基に各店をランク付けした「単純平均ランキング」や、WISE REVIEWを用いて算出したスコア「WISE Score」、またそれを基に再度ランク付けした「WISE Scoreランキング」「信頼できるレビューの割合」などを表示。単純平均ランキングで上位にいても、WISE Scoreランキングで極端にランクが低いような店は、信ぴょう性の低いレビューが多いとAIが判断したことになる。なお、今回1位となった「青島食堂 秋葉原店」は単純平均ランキングは13位だった。また、単純平均ランキングでトップ10かつWISE Scoreランキングでもトップ10にランクインした店は5店だった。これら5店は、Google上のレビューで高い評価がなされ、さらにそれぞれのレビューの信ぴょう性も高いとAIが判断したことになる。
WISE Reviewは感情的で適切だと思われないレビューや、“やらせ”と思われる信頼性が低いものを検知するサービス。ECサイトや飲食店予約サイト、転職サイトといった口コミサイトでの利用や、マーケティングリサーチ等に活用できるという。
消費者の購買行動が変化することにより、口コミの重要性が高まる一方で、やらせなどが横行し、どれが真実の情報なのかを見極めることが難しくなっている。こうした状況についてTDAI Labは「出品者は『不当なアンチレビュー』による、“もっと売れたはず”という機会損失、消費者は「ヤラセレビュー」による、“もっと良いものが買えたはず”という機会損失」が起きていると指摘している。
関連記事
- 一風堂が外資系高級ホテル「ザ・ペニンシュラ」で1杯3400円のラーメン 替え玉と半ライスも
一風堂が高級ホテル「ザ・ペニンシュラ東京」でルームサービスを開始。12種類のトッピングを楽しめる1杯3400円のラーメン。替え玉や半ライスも提供されるという。スイートルームで開かれた試食会で、新商品の背景を探ってみた。 - ちょっと前までチヤホヤされていた「いきなり!ステーキ」が、減速した理由
ブームの牽引役などとチヤホヤされていた「いきなり!ステーキ」が叩かれている。2018年12月決算は、8年ぶりに赤字。低迷の原因として、米国での閉店や類似店舗の増加などが指摘されているが、筆者の窪田氏は違う見方をしている。それは……。 - 卸売会社の3代目社長は、なぜ「うんこ」へ舵を切ったのか
神奈川県にある「株式会社うんこ」をご存じだろうか。悪ふざけではなく、実際に存在する会社だ。Webサイトを見てみると、うんこスーツやうんこスニーカーなど、幅広いうんこグッズを販売している。5月に行ったクラウドファンディングでは、達成率が500%超。270万円ほどの資金が集まった。いったい、どんな会社なのか。 - ドトール、休日減らして「有給奨励日」に 有給取得の“水増し”に厚生労働省「望ましくない」
4月から企業に義務付けられた従業員の有給取得。年間10日以上付与されている人について、5日以上取得させる必要がある。こうした中で、ドトールコーヒーがもともと休日だった日を出勤日にした上で「有給奨励日」に。理由については「改元などで祝日が多くなり、調整する必要が生じた」とコメントしている。働き方改革に逆行する取り組みを、厚生労働省はどう受け止めているのか? - AIはジャーナリストの仕事を救うのか、奪うのか 「記者ゼロ通信社」の挑戦
マスコミ業界で「記者ゼロ通信社」が意外な存在感を発揮。AIでSNSから膨大な情報を集積・分析しニュースを発見する。不況で人手が足りないマスコミ業界の収益構造を変えられるか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.