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新社会人の8割がぶち当たる「入社後ギャップ」、防ぐための3ポイントとは:学生も企業側にも深刻な悩み(2/5 ページ)
入社した若者の大半が企業へのギャップに苦しむという。大規模調査データからそのメカニズムが明らかになった。防ぐための3ポイントを解説する。
「給料・昇進」や「達成感」で負のギャップ
【図1】で示したように、入社後、報酬・昇進・仕事のやりがい・働きやすさなど、入社後に、事前イメージとの何らかの違いを感じる新社会人は76.6%にも及びます。逆に言えば、入社後、スムーズにイメージ通り働いている社会人は4人に1人もいないということです。
より重要なのは、【図2】に示したその具体的な中身でしょう。「イメージよりも悪かった/低かった」の回答率を示したものですが、これを見ると、「給料・報酬」「昇進・昇格のスピード」と、報酬周りの項目が高くなっています。また、「達成感」や「裁量の程度」「働きやすさ」もイメージとのギャップが大きくなっています。
簡単に言い換えれば、「この程度しかもらえないのか」「この程度の仕事しかさせてもらえないのか」「こんなに忙しいのか」となります。
学生にとって売り手市場の現在、意欲ある学生の成長志向に答えるために、各社が「うちの会社では、若いときから活躍できる」をアピールします。若手社員をロールモデルに据え、キラキラした活躍社員と触れ合う機会を作り、リクルーターが個別に口説き落とします。
しかし、「入社後」に大きくギャップを与えてしまっては、それらは逆効果としか言いようがありません。社会人であれば、こうしたアピールがアピールでしかないことにすぐ気が付きそうなものですが、社会人と接触する機会が少ない学生は、過度な期待を抱いてしまいます。
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