相鉄がいよいよ都心乗り入れ JRと直通運転開始、沿線活性化へ:二俣川〜新宿は最短44分
11月30日、相模鉄道とJR東日本の相互直通運転がいよいよ始まる。これまで都内に乗り入れていなかった相鉄にとっては、念願の「都心とつながる」路線。盛り上げを図っている。
11月30日、相模鉄道とJR東日本の相互直通運転がいよいよ始まる。これまで都内に乗り入れていなかった相鉄にとっては、念願の「都心とつながる」路線となる。二俣川〜新宿間の所要時間は最短で44分となり、相鉄線沿線から武蔵小杉や渋谷などへのアクセスが向上。また、一部の電車は埼玉県内まで直通し、運転エリアが広がる。
直通運転開始に伴い、新駅「羽沢横浜国大駅」(横浜市)も開業。直通運転は、相鉄線西谷駅と羽沢横浜国大駅の間に新設した約2.7キロの連絡線を利用して行う。
運行区間は相鉄線海老名駅〜JR新宿駅(朝通勤時間帯の一部列車は大宮方面まで)。1日46往復(92本)運行する。朝のピーク時間帯は1時間あたり4本、他の時間帯は2〜3本となる。主な区間の所要時間としては、二俣川〜新宿のほか、大和〜渋谷が最短45分、海老名〜武蔵小杉が最短36分と示されている。
また、相鉄線の運行形態も一部変更。平日朝については、海老名発の特急の運行が、ラッシュピーク前はJR直通と横浜行き、ピーク時はJR直通、ピーク後は横浜行きとなる。また、上りのみ通勤特急と通勤急行を運行するほか、ピークの時間帯に海老名〜横浜間直通の各停を運行する。
2022年度下期には、相鉄と東急線との直通運転も始まる計画だ。羽沢横浜国大駅と東急東横線・目黒線日吉駅の間に連絡線を新設する。開業後は、東海道新幹線が停車する新横浜駅へも1本で行けるようになる。
相鉄ホールディングスでは、JRとの相互直通運転開始を記念して「相鉄都心直通記念ムービー」を公開。「100年以上の歴史がある相鉄線が大正・昭和・平成と時代に合わせて移り変わっていく様子と、令和時代に入ってから都心に直通することで人々の環境が変化する様子」を描いており、俳優の二階堂ふみさんと染谷将太さんが出演する大掛かりな映像となっている。神中鉄道ハ20形客車(大正)、モハ1000形(昭和)、8000形(平成)、12000形(令和)といった相鉄の歴史を彩った車両も登場している。
JRや東急との直通運転計画に伴い、相鉄グループでは相鉄線沿線の開発にも着手している。利便性向上と居住環境の整備によって、沿線の活性化を目指す取り組みが進んでいきそうだ。
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