京都勝牛は“牛カツ戦争”を制するか 焼き肉とステーキを経てたどり着いたビジネスモデルに迫る:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/5 ページ)
牛カツ最大手「京都勝牛」が積極攻勢。運営会社は焼き肉やステーキを経て牛カツにたどり着いた。国内だけでなく海外にも目を向ける戦略に迫る。
リピーターが大半の店もある
京都勝牛は京都の老舗が立ち並ぶ伝統ある飲食街、先斗町(ぽんとちょう)に本店を構える。京都、そして日本を想起させる店づくりが身上。のれんをくぐって店内に入ると、一枚板のカウンター席が目立つ店が多い。テーブルや椅子も木を使っており、高級そうな和食店の雰囲気を持っている。実際に先斗町本店を訪れると、店構えからして、相当に昔からあった老舗のような表情をしている。
ミドルクラスのトンカツ専門店にも似ており、店づくりではベンチマークをした感もある。
麦ご飯と赤だしが付いた定食スタイルで提供され、千切りのキャベツとわさびが添えられている。「京玉」という独自開発のだしが効いた半熟玉子や、大根おろしにポン酢が掛かったみぞれポン酢付きの膳もある。なお、麦ご飯、赤だし、キャベツはお代わり自由となっている。
肉は塊から一枚肉として切り出されたものだ。衣に使う、打ち粉、パン粉、卵液はオリジナルの素材を開発している。油切れが良く、短時間で肉汁を閉じ込めてサクサクに揚げられるようにするためだ。野菜の甘みが溶け込んだソースも、創業70年の京都の老舗メーカー・創味食品との共同開発である。
新しい店舗は25〜30坪で、40〜50席の店舗が多いが、今後はさらに大型店も出店する方針だ。
顧客層はビジネスパーソン、ファミリー、訪日外国人と幅広く、男女比は55:45と拮抗している。顧客単価は1000〜1500円ほどで、ミドルクラスのトンカツ店とほほ同じ。ビジネスパーソンのランチとしては高価だが、後述する食べ方のバリエーションでお得感を演出。大半の顧客がリピーターの店もあるほどだ。
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