アパレル大手のオンワードホールディングス(HD)は12月6日、希望退職者を350人程度募集すると発表した。対象は、オンワードグループに在籍する、40歳以上で勤続3年以上の一般社員(販売職を除く)。2020年1月7日〜30日に募集する。規定の退職金に特別退職金を加算するほか、希望者に対しては再就職支援を行う。
希望退職者を募集する理由については、「激変するマーケットに対応して企業競争力を高めるため、グローバル事業構造改革や成長戦略の実行に取り組んでいる。この一環として、強固な経営基盤を確立するため、効率的な組織・人員体制の構築を進めている」と説明している。業界全体が大きな変革期にあることから、「転進やセカンドライフを求める社員に対する選択肢」として、希望退職者募集に至った。
同社は百貨店を中心に店舗を展開しているが、業績は厳しさを増している。2019年3〜8月期の連結純損益は、244億円の赤字を計上している。国内外で600店前後を閉店すると報じられており、大規模な構造改革を進めている。
今回の希望退職者募集に伴い発生する特別退職金と再就職支援費用は、20年2月期連結決算で特別損失として計上する。業績予想への影響は、確定次第公表するという。
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