「若いときにひどい目にあった」自慢のおじさんは、なぜヤバいのか:スピン経済の歩き方(1/5 ページ)
8月下旬、三菱電機の新入社員が自殺していたことが明らかに。教育主任から「死ね」と言われていことが分かって、この主任は書類送検されたという。それにしても、なぜ同じような問題が繰り返されるのか。背景にあるのは……。
結局、喉元過ぎればなんとやらということか。
2015年末、24歳の女性社員が「過労自殺」に追い込まれていたことを受けて、労働環境改革を進めていた電通が、労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが分かった。
また、これまでちょいちょい過労自殺や精神疾患による労災認定が相次いでいた三菱電機も今年8月下旬に新入社員が自殺していたことが明らかになった。現場からは、教育主任から「死ね」と言われたなどと訴えるメモが見つかって、この教育主任は自殺教唆の疑いで書類送検されたという。
過去にパワハラや過重労働が問題になった大企業が、相次いで「再犯」しているのだ。このような話を聞くと、「やっぱり電通の企業体質が問題だな」とか「三菱電機には日常的にパワハラを容認するようなカルチャーがあるのでは」なんて感じる方も多いだろう。実際、そのような論調の報道が目立つ。
が、報道対策アドバイザーとして、この手の問題企業の内部を見てきた経験から言わせていただくと、「組織風土」とか「体質」という”ふわっとした話”で片付けてしまうから、いつまでもパワハラや過重労働がなくならないのではという気もする。
電通や三菱電機という組織に問題がないと言っているわけではない。関西電力が、幹部社員たちが高浜町元助役を務めた男性から金品を受け取っていた問題を「組織風土」で幕引きを図ったように、問題の本質から目をそらさせてしまう恐れがあると申し上げているのだ。
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