調査リポート
理美容業の倒産件数、4年連続で増加
帝国データバンクは「理美容業」の倒産件数について調査した。それによると、2019年の倒産件数は167件で、4年連続で前年を上回っていることが分かった。
2019年(1〜11月)の理美容業の倒産件数は167件(前年同期比12.8%増)で、00年以降で最多だった18年(165件)を上回っていることが、帝国データバンクの調査で分かった。08年以降は100件超で推移していて、16年からは4年連続で前年を上回っている。
167件の内訳をみると、「美容室」が86件でトップ。次いで「エステサロン」(40件)、「理容室」(17件)と続いた。負債総額は56億円(同40.8%増)となっていて、2年ぶりの前年比増加となった。このうち、「美容業」(約52億6900万円)が94.1%を占めることに。
調査結果について、帝国データバンクは「個人経営の理容業者や美容室では、店舗開設に伴う借入金の返済負担が重荷となる中、同業他店との競争激化や代表者の病気・体調不良が重なり営業体制を維持できなくなるケースが散見された。また、美容師の独立やフリーランスへの転身で人材確保が困難となる状況が続いているうえ、参入障壁が比較的低いため、店舗過剰化を背景に顧客獲得は厳しさを増し、体力に乏しい中小規模事業者の淘汰は今後更に進んでいくと見られる」とコメントした。
『衛生行政報告例(2018 年度)』(厚生労働省)によると、美容所は約25万1140施設(前年度比1.4%増)で過去最多となり、美容師数も増加。一方で理容所は、約11万9053施設(同1.6%減)で理容師数ともに減少している。
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