今年の「中国の日本商品人気トレンド」で見えた“日本メーカー、勝負の分かれ目”:中国マーケティング最前線(1/2 ページ)
SNSから今年の「中国人が買った日本商品」をランキング化。上位は前年と似た顔ぶれとなり、人気が定番商品に集中する傾向が顕著。インバウンド頼みでなく中国本土の市場にも売り込む戦略が必要に。
インバウンド需要で大きなパイを占める、中華圏からの訪日客。2019年、中国人客の人気は日本のどの商品に集まったのか。中国向けマーケティング分析を手掛けるトレンドExpress(東京・千代田)が、中国人向けSNSの書き込みを分析した。一見、前年と似たランキング結果となったものの、今後の日本メーカーの中国市場戦略が問われる結果となった。
ランキング上位商品の顔触れは変わらず、だが……
調査データはトレンドExpressが1〜10月分の中国人向けSNS、ウェイボーへの投稿を集計して分析。日本の商品について「買った」という内容の口コミ約1019万件をもとに算出した。
まず、「買った」という口コミが多かった日本の商品ランキングを算出したところ、前年に続き1位の「ピジョン 薬用ローション(ももの葉)」を始め、のどあめや美容系商品などが上位を占める結果に。4位の「サントリーシングルモルトウイスキー山崎」や、6位「白い恋人」など、比較的同じ商品が定番化していることが浮き彫りになった。
商品別のカテゴリー別のシェアを18年と比較したところ、やはり「コスメ・美容」が首位で、次いで「衛生・健康」「医薬品」が並ぶ結果に。中国人に人気の日本商品のカテゴリーは、比率も含めほぼ一緒となった。
トレンドExpressの担当者は「ランキング20位くらいまでの人気商品の上位陣は、定番化していてあまり変わらない傾向にある」とみる。一方で注目するのが、中国系SNSでつぶやかれる日本の商品の「アイテム数」が減少傾向にある点だ。
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