コラム
“低体温化組織”をどう変えればいいのか 業務過多とデジタル偏重コミュニケーション(1/5 ページ)
仕事が忙しくて、「同僚とうまくコミュニケーションがとれない」といった人も多いのでは。思いを共有できない組織は、どのように対応すればいいのか。架空企業を事例に挙げて、考える糸口を探っていく。
近年急成長を遂げたIT系ベンチャー企業に代表されるように、比較的歴史が浅く、若い人財の比率が高い企業に起こりがちな組織の問題を、今回は取り上げたいと思う。
皆さんの組織では、チャットアプリやプロジェクトマネジメントツールのようなデジタルコミュニケーションツールは導入されているだろうか。こうしたデジタルツールは、時間や場所を限らず、かつ容易に情報共有や報告・連絡・相談といったやり取りができる便利さゆえ活用する企業は多いだろう。
しかしデジタルツールの浸透は、一方で組織の「低体温化」を招く原因にもなっている。eメールが浸透しはじめたころにも同様の現象が起こったが、より利便性の向上したデジタルツールが広がったことで、以前にも増して対面や電話といったアナログでのコミュニケーションが減り、相手の心理や感情に配慮した人間関係が築きづらくなっているのである。
特に、業務に追われ余裕がない組織においては、コミュニケーションを省エネ化しようという意図が働きやすいため、他者や他部門との関係性が希薄になりがちで、思いを共有できない低体温化した組織に陥りやすい。
では、そのような低体温化した組織をどうすれば活性化できるだろうか。また便利なデジタルツールがあふれる中で、適切なコミュニケーションのあり方とは、どういったものなのだろうか。架空企業のケースをもとに、考える糸口を探っていきたい。
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