コラム
“低体温化組織”をどう変えればいいのか 業務過多とデジタル偏重コミュニケーション(4/5 ページ)
仕事が忙しくて、「同僚とうまくコミュニケーションがとれない」といった人も多いのでは。思いを共有できない組織は、どのように対応すればいいのか。架空企業を事例に挙げて、考える糸口を探っていく。
次なるステップはコミュニケーションギャップの解消
第2の問題は、コミュニケーション方法のギャップである。本来、営業と開発は密なコミュニケーションを取りながらワンチームとして同じ方向を向いて仕事をすべきところだが、営業は対面のコミュニケーションを、開発はデジタルコミュニケーションを重視しているため、溝は深まる一方である。ハード、ソフト両面からコミュニケーションギャップを埋める施策が必要だろう。
ギャップを解消するためには、会社としてのコミュニケーションの基本ルールを明確化し、どういったケースで対面や電話といったアナログなコミュニケーションを取るべきか、反対に、デジタルなコミュニケーションツールをうまく活用する方法についても提示することが望ましい。それぞれのメリット・デメリットを理解しながら、共通の使い分けルールがあると、社内のコミュニケーションはよりスムーズとなろう。
加えて、責任があいまいな状態での業務連携も問題である。営業部門と開発部門の責任の所在があいまいで、お互いが甘え合っている関係性になっている。営業は開発が何とかしてくれるだろう、開発は多少納期がずれても営業が納めてくれるだろう……といった甘えが内在するため、問題が生じやすい。本来の業務フローや引継ぎルールが形骸化してしまっている可能性が高いため、改めてプロジェクト推進体制のあるべき姿から考えなおすことが望ましい。
関連記事
- ちょっと前までチヤホヤされていた「いきなり!ステーキ」が、減速した理由
ブームの牽引役などとチヤホヤされていた「いきなり!ステーキ」が叩かれている。2018年12月決算は、8年ぶりに赤字。低迷の原因として、米国での閉店や類似店舗の増加などが指摘されているが、筆者の窪田氏は違う見方をしている。それは……。 - 「韓国人観光客激減」は長い目で見れば、日本のためになる理由
日韓の政治バトルによる「嫌日」の高まりから、韓国人観光客が激減している。このような事態を受け、一部の観光地から「早く仲直りしてくれないと困る」といった悲鳴が上がっているが、筆者の窪田氏はどのように見ているのか。長い目で見れば……。 - 「ボランティアのはずなのに、アルバイトとして募集している!」 ネットで話題の東京五輪時給1600円スタッフ 真相を組織委員会に直撃
ボランティア募集していた東京五輪のスタッフ。もともと無償であることに批判が集まり、ネットで話題になっていた。しかし、目標としていた8万人に対して20万人超が応募。交通費として1000円を支給することにもなり、落着したかと思われた。ただ、最新のタウンワーク誌上で時給1600円から、アルバイト募集していると話題に。ボランティアとの違いは何なのか。組織委員会に聞いた - 50年前から分かっていた少子高齢化問題、なぜ回避できなかったのか
「敬老の日」の昨日、この国の「敬老」の意味をあらためて考えさせられるニュースがあった。65歳以上の高齢者は約3588万人で、全人口に占める割合は28.4%と過去最高となり、これは同じく高齢化が進むイタリアの23%を大きく引き離し、世界一となっているというのだ。 - 「世界一真面目な労働者は日本人」と触れ回っては、いけない理由
またしても日本の「働き方」のクレイジーさを物語る残念なデータが出てきてしまった。日本を含むアジア太平洋地域14の国・地域を対象にした就労実態調査(パーソル総合研究所調べ)を見て、筆者の窪田氏はどのように感じたのかというと……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.