“低体温化組織”をどう変えればいいのか 業務過多とデジタル偏重コミュニケーション(3/5 ページ)
仕事が忙しくて、「同僚とうまくコミュニケーションがとれない」といった人も多いのでは。思いを共有できない組織は、どのように対応すればいいのか。架空企業を事例に挙げて、考える糸口を探っていく。
組織変革のファーストステップは生産性向上への取り組み
第1の問題点は、開発部門メンバーの業務がキャパオーバーしているため、改善を進める余裕がないことだ。従って課題となるのは、スタッフの増員、ないしは生産性の向上である。目先のことに目一杯の状態では、やり方を変えることの心理的ハードルは非常に高い。よってまずは業務の生産性を高め、精神的な余裕をつくりだす必要がある。
その解決の糸口としては、生産性を高めるためのオフィス改革と働き方改革があげられる。例えば、主に開発メンバーが集中して開発業務を行うための「集中ゾーン」と、コミュニケーションを取るための「コミュニケーションゾーン」に分けたオフィスレイアウトにする。
そして「コミュニケーションゾーン」には、簡易な打ち合わせができるスペース(スタンディング形式)などを多数配置し、さらにリフレッシュコーナーも設けて、集中モードとリラックスモードの切り替えを促進、ランチタイムや休憩タイムに気軽に雑談できる場としても利用するのも効果的だろう。
時間の使い方にも工夫をしたい。90分間の「集中タイム」と、30分間の「コミュニケーションタイム」を交互に設定し、集中タイム中は、お互いに話しかけないなど自分の仕事に集中する。一方でコミュニケーションタイムには、自分の作業は一旦中断し、クライアントとの連絡や社内のコミュニケーションや打ち合わせを優先する。時間の使い方の共通ルールを持つことで、生産性を高める工夫だ。
また時間を取られがちな会議は、「アイディア出し」「組織的な問題解決」に目的を絞り、1時間以内を基本とする。日常的な報連相はデジタルツールを基本とし、プロジェクトの遂行上重要となる意思決定は、15分単位の短い打ち合わせを小まめに実施し、スピーディな問題解決に努めることを重視する。これらの施策を組み合わせることで、業務の生産性を高めることができる。
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