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2020年の景気、「悪化」と見込む企業は37.2% 過去3番目に高い水準

帝国データバンクが2020年の景気見通しに対する企業の見解を調査。

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 帝国データバンクは2019年11月18日〜30日にかけて、全国2万3678社を対象に、19年の景気動向および20年の景気見通しに対する企業の見解について調査を実施し、その結果を発表した(有効回答企業数は1万46社)。

 19年12月9日に発表された7〜9月期の実質GDP成長率2次速報は、前期(4〜6月期)比0.4%増(年率換算で1.8%増)となり、4四半期連続でプラスの成長となった。省力化投資などの設備投資や公共工事、五輪関連の建設需要などに加え、消費税率引き上げ前の駆け込み需要も好影響を与えた。一方、相次ぐ自然災害や世界経済の動向、人手不足の深刻化などの懸念材料もあり、業種や地域で景況感に格差が生じている。

 19年の景気動向は、「回復」局面であったと考える企業は3.7%となり、2年連続で1桁台となった。一方、「踊り場」局面とした企業は47.1%と半数近くにのぼったほか、「悪化」局面とした企業は31.2%と前回調査(2018年11月調査)から14.0ポイント増加し、7年ぶりの3割台に上昇した。

 20年の景気見通しについては、「回復」局面を見込む企業は6.8%で、2年連続で1桁台となった。「踊り場」局面になると見込む企業は32.8%と、前回調査(38.2%)より減少したものの、「悪化」局面を見込む企業は37.2%で2年連続で増加し、過去3番目に高い水準となった。景気の先行きについて、1年前より厳しい見方を強めている様子がうかがえる。


2020年の景気見通し(帝国データバンク調べ)

 20年の景気への懸念材料として挙げられたのは、「人手不足」が46.2%で最も高く(3つまでの複数回答)、以下「中国経済」(34.8%)が3割超となり、「原油・素材価格(上昇)」(24.9%)、「米国経済」(22.8%)、「消費税制」(22.1%)が続いた。

 そのため、景気回復のために必要な政策についても「人手不足の解消」が39.6%(複数回答)と4割近くにのぼりトップとなった。ついで、「個人消費の拡大策」(33.8%)、「所得の増加」(31.3%)、「公共事業費の増額」(26.7%)、「個人向け減税」(26.5%)という結果になった。一方で、災害に対する政策を重視している企業も見られた。


今後の景気回復に必要な政策(帝国データバンク調べ)

 今後、減速しつつある経済を再び上向かせるための施策として、帝国データバンクは「政府は人手不足の解消や海外経済のリスクに対応した政策を進めるとともに、災害対策に資する政策も進めることが重要となろう」と分析している。

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