東大がSNSを使った顧客分析の新手法を発表 あるブランドを好む人は他にどんなブランドを好むか?:ユーザーの興味と関心を知る
東大がSNSを使った顧客分析の新手法を発表。クレジットカードやポイントカードの売り上げを分析するより高い精度があるという。どのような概要なのか。
東京大学の研究チームは12月16日、SNSを用いて潜在的な顧客の興味や認知を可視化する手法に関する研究成果を発表した。
マーケティング分野では、潜在的な顧客・ファンの興味や認知を知ることが重要とされている。従来は、クレジットカードやポイントカードの売り上げデータを解析したり、アンケートによる調査結果の解析が行われたりしてきた。しかし、売り上げデータ解析には、「クレジットカードを持つお客の属性が限られる」といった問題があった。
そこで、各ブランドが運営するSNSのフォロワーが日常的にどのような情報発信を行っているのかを分析。その結果を解析することで、一般ユーザーの興味・関心を推定する技術を実現したとしている。具体的には、国内でビジネスを展開している108ブランドのSNSアカウントを対象に、各ブランドのフォロワーを1000人ずつを解析した。
クレジットカードやポイントカードによる分析は、ある特定のブランドのことを「知っている」「興味がある」といったユーザーの興味や関心を相関係数0.2〜0.3程度でしか予測できないのに対し、新しい手法は相関係数0.43〜0.53という高い精度で予測できるという。また、これは類似する研究としても高い精度なのだとか。
研究結果はどのように役立つのか。東大の研究チームは「SNSにおける効果の高いPR手法の提案、商業施設における店舗フロアプランの提案などの応用が考えられます」としている。
今回実施された消費者動向解析は、データ収集・分析・可視化・統合サービスを手掛けるジオマーケティング(東京都渋谷区)と共同で研究した。SNS解析はインフルエンサーマーケティングなどを手掛けるサイバー・バズ(東京都渋谷区)と共同で研究した。
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