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若者の「投資」事情 ハードルをこえるきっかけは「学びと自信」(1/2 ページ)

2019年は若年層の投資への関心が高まった年だ。一方で、実際に投資に踏み出す人は少なく、特に若年層の足が止まっている。「投資するだけの資金がない」という理由は減少しており、「何をすればいいのか分からない」「いろいろ勉強しなくてはならないから」という理由が増加中。では、投資に踏み切った人は何がきっかけだったのだろうか。

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 2019年は若年層の投資への関心が高まった年だ。メットライフ生命の調査によると、資産運用意向のある人は過半数となっており、特に若年層の意識向上が大きい(11月の記事参照)。20代では、資産運用意向が18年より10.7ポイント増加、30代でも5.3ポイント増加しており、「投資を始めたい」と思う人は着実に増えているようだ。

 一方で、実際に投資に踏み出す人は少ない。同調査では「運用中」の人は26%に留まっており、特に若年層の足が止まっている。


(写真提供:ゲッティイメージズ)

 その理由は何か? フィデリティがビジネスパーソン向けに行った調査を見ると、トレンドが見えてくる。「投資するだけの資金がない」のは確かに大きな理由だが、トレンドとしては比率は大きく下がってきている。一方で増加してきているのが、「何をすればいいのか分からない」「いろいろ勉強しなくてはならないから」という理由だ(8月の記事参照)。

実際に投資に踏み出した人のきっかけは?

 では実際に投資に踏み出した人は、どんなきっかけでハードルを越えたのだろうか? 総合マネースクールファイナンシャルアカデミーの協力を得て、株式投資コースの受講生にアンケートを取り、自身が投資に踏み出したきっかけを聞いてみた。


投資に踏み出したきっかけ(ファイナンシャルアカデミーの株式投資コース受講生へのアンケートより)

 最も多かったのが「投資商品の選び方を学び自信が持てたから」という回答だった。株式投資に関する授業を受けている生徒の回答だということを差し引いても、投資に関するリテラシーは非常に重要だということが分かる。

 日本銀行内に事務局を置く金融広報中央委員が19年春に行った金融リテラシー調査によると、金融リテラシーの高い人ほど株式に投資していることがはっきりと分かる。また年齢が高まるほどリテラシーが上がり、年収が高いほど、また保有金融資産が多いほど上がる傾向がある。リテラシーと投資の因果関係は不明だが、連動しているのは明らかだ。


金融リテラシーの高さと株式投資を行っている比率の関係「金融リテラシー調査 2019」より

 株式投資コースの講師を務めるファイナンシャルアカデミーの小野原薫氏は、具体的な金融に関する知識が投資につながる点としてリスクコントロールを挙げる。「株式投資なら、例えば損切りの設定機能を使うと、最大損失額を自分で決めることができる。リクスコントロールが分かるとスタートしやすい」

 投資未経験者は、資産が減るリスクを過度に恐れる傾向にあるが、こうしたリスクコントロールの手法を知るだけでも、取り組むきっかけになるということだ。

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