日本郵政の元凶は「多すぎる郵便局」と考える、これだけの理由:スピン経済の歩き方(2/6 ページ)
かんぽ生命の営業現場が、大変な騒ぎになっている。高齢者をだまし、契約を結ぶ。その一線を超えられない人に対して、「お前は寄生虫」などと罵声を浴びせる。典型的なブラック企業なわけだが、なぜこのような組織になってしまったのか。
郵便局の数を大幅に減らす
リーダーシップや組織風土の改革という「ふわっ」とした話が通用しないのなら、どうすればこの組織を変えることができるのか。
みなさんいろいろな考えがあるだろうが、個人的にはこれ以上ひどいことにならないうちに、郵便局の数を大幅に減らしていくしか方法はないのではないかと思っている。
「出た! 弱者切り捨て! 郵便局がライフラインになっている過疎地の人間は死ねということか!」といきり立つ正義のネット自警団の方もいらっしゃると思うが、一応最後まで話を聞いていただきたい。
どんな辺境であってもそこで生活している人がいる限り、郵便局がある社会が「理想」であることは言うまでもないが、一方で今の日本は急速に進む「人口減少」によって、行政サービスでさえ縮小しているというシビアな現実がある。
現実を直視せず理想に固執する組織が、数合わせのための不正行為とパワハラに蝕まれていくのは、これまでもさまざまなブラック企業が証明しているのだ。
「ユニバーサルサービス」というものは、それを提供できる人手があってこそはじめて機能する。人が減っているのに、サービス網だけを広げたままだと、現場の負担は雪だるま式に増えていく。そのようなブラック労働が横行する中で、それでもなおサービス網の維持に固執すると、今度はどうなるかというと、不正に走る。詐欺でもデータ改ざんでもなんでもやって、サービス維持のために課せられたノルマをクリアしようとするのだ。
このような負のスパイラルに郵便局も陥っている可能性が極めて高い。過疎地の高齢者にユニバーサルサービスを届けるカネをつくるため、高齢者を食い物にするという本末転倒なことが起きているのがその証左である。この破たんしたビジネスモデルを見直すのは、すべての元凶である「郵便局」を、人口減少に見合う数へと整理・統合するしかないのだ。
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