マック、KFC、ダンキンが“奥の手”で盛り上がる、背景に何が?(2/4 ページ)
数年ほど前から、本業とは別の商品にチカラを入れる企業が増えてきた。例えば、マクドナルド、KFC、ダンキンは自社商品の特徴を生かしたアイテムを発売したところ、完売するケースも。どんな商品が売れているのかというと……。
ドーナツの香りがするキャンドル
ダンキンのオンラインストアで扱っているのは、ホリデー柄のセーターやパジャマ、スマホケース、ヘアアクセサリーなど。ドーナツやコーヒーとは関係ない商品なのに、すでに完売しているものもある。
また、米国では自分でギフト包装するのが主流なため、そのニーズに合わせたダンキンのブランドロゴ入りラッピングペーパーまで販売されている。さらに、自社のオンラインストアのほかにも、ホームフレグランスのブランド「Homesick Candles(ホームシック・キャンドル)」とコラボして、限定品のキャンドルも展開している。
ダンキンの人気メニューである、オリジナルブレンドコーヒーやオールドファッション・ドーナツなどの香りがするキャンドルまで、ひとつ30ドルほどで販売されている。決して安くない価格なのに、ほぼ完売となるほど反響があったようだ(参照リンク)。
ホームシック・キャンドルは、ノスタルジーを感じる香りを商品化しているブランドとして知られている。カリフォルニアやテキサスといった米国の各州にちなんだ香り、ボストンやマイアミなどのシティに特化した香り、またファーストキスや図書館など思い出に浸れるユニークな香りのキャンドルを販売している。
ダンキンの限定キャンドルは、ホームシック・キャンドルのオンラインストアのみで販売されているが、両ブランドにとって新たな顧客を呼び込むきっかけとなっている。
このように、ダンキンが本業とは異なる商品を積極的に手がけるようになったのには、同社がブランド名を変更したことが大きく影響している。もともと「ダンキンドーナツ」という名で親しまれていたが、19年1月よりブランド名が「ダンキン」とシンプルになった。
ブランド名から「ドーナツ」を外したことで、より多角的にブランドを進化させようとしている意思が感じられる。そのダンキンよりも前から、本業とは別の商品でファンの心をつかんでいるのが、フライドチキンを主力商品とするファストフードチェーンのKFCだ。
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