マック、KFC、ダンキンが“奥の手”で盛り上がる、背景に何が?(4/4 ページ)
数年ほど前から、本業とは別の商品にチカラを入れる企業が増えてきた。例えば、マクドナルド、KFC、ダンキンは自社商品の特徴を生かしたアイテムを発売したところ、完売するケースも。どんな商品が売れているのかというと……。
マクドナルドも奥の手
そして、ホリデーシーズン真っ只中の12月に、興味深いオンラインストアをオープンさせたブランドがもうひとつある。ファストフード最大手の、マクドナルドだ。
実は、今まで期間限定のオンラインストアを展開したことはあったが、通年でのオンラインストアは立ち上げていなかった。商品を常に補充する必要のある通年でのオペレーションに乗り出したということは、マクドナルドがいよいよビジネスに本腰を入れたことを意味する。
同社が運営するオンラインストア「Golden Arches Unlimited」では、ホリデーギフト、アパレル、アクセサリーの3つのカテゴリーで商品展開している(参照リンク)。
クリスマスツリーのオーナメント、ハンバーガーやポテトのデザインがプリントされたノートやトートバッグ、Tシャツやソックス、ニット帽など、約20点ほどの商品を取り扱っている。デザインがポップなので、ウケ狙いでなく普段使いもできそうだ。
こうした商品は、ホリデーシーズンにユニークな商品を探している顧客に、ブランドをアピールする絶好のチャンスだと言える。近年、多くのブランドがオンラインストアをオープンさせて、話題になりそうな商品を扱っている背景はいくつかの理由が考えられるが、最大の理由は若い世代の顧客にアピールするためだろう。
彼らの目にとまれば、ソーシャルメディアで話題になってシェアされることで、口コミ効果も期待できるからだ。また、本筋とは違うさまざまな商品を提供することで、ライフスタイルブランドとして顧客にアピールできる狙いもある。ブランドの新たな魅力を引き出すだけでなく、顧客が求めるモノを探ることで、より深い関係性を築くことができるメリットもある。
こうした米国の戦略は、日本のビジネスパーソンにも参考になるだろうし、刺激にもなるのではないだろうか。
このトレンドは、今後さらに加速しそうな気配があるが、いずれ本業を超えるクリエイティブな商品が登場し、一人歩きするなんてことも起きるかもしれない。そうすればブランドにとっても一石二鳥になるだろう。このトレンドの動向は引き続き注目しておきたい。
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