企業不祥事トレンドは「人口減少型」、2020年はどうなる?:スピン経済の歩き方(6/6 ページ)
2019年も、さまざまな企業不祥事があった。レオパレス21やセブン-イレブン、かんぽ生命など、そうそうたる大企業が次々にやらかしたわけだが、20年はどうなるのか。筆者の窪田氏が分析したところ……。
ビジネスモデルの破たんが近づいてきた
いよいよ本格的なビジネスモデルの破たんが近づいてきたのだ。
と心配していたら最近、安倍政権に近い立派な人たちから「働き方改革のせいで日本が滅びる」といった意見が出てきた。世の中には、時間無制限でガッツリ働きたい人がたくさんいて、過重労働だとなんだと規制をすることで、日本経済が落ち込んでいる。一流の国でいたいのなら、若いうちはワークライフバランスだなんだと甘っちょろいことを抜かしてないで、一人前になるために死ぬ気で働けというわけだ。
人口増時代に大きくなってきた組織はその方針を変えることができないように、人口増時代に成功体験をした現在50代以上のおじさんたちは、それまでの生き方を変えることはできないので、「どんなに時代が変わっても、変わらないことがある」などと言って、「過去の栄光」に執着する。その典型的なパターンと言えなくもない。
20年の企業不祥事の現場では、「汚職・収賄」とともに、「根拠のない精神論で若者に玉砕を命じるおじさん」が増えていくかもしれない。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
関連記事
- 日本郵政の元凶は「多すぎる郵便局」と考える、これだけの理由
かんぽ生命の営業現場が、大変な騒ぎになっている。高齢者をだまし、契約を結ぶ。その一線を超えられない人に対して、「お前は寄生虫」などと罵声を浴びせる。典型的なブラック企業なわけだが、なぜこのような組織になってしまったのか。 - ちょっと前までチヤホヤされていた「いきなり!ステーキ」が、減速した理由
ブームの牽引役などとチヤホヤされていた「いきなり!ステーキ」が叩かれている。2018年12月決算は、8年ぶりに赤字。低迷の原因として、米国での閉店や類似店舗の増加などが指摘されているが、筆者の窪田氏は違う見方をしている。それは……。 - 大戸屋が炎上した背景に、ブラック企業と日本軍の深い関係
外食チェーン店を運営する「大戸屋ホールディングス」が、大きく揺れている。「ガイアの夜明け」の中で、同社の社長の言動が放送され、「ブラック企業」「パワハラ」などと批判されているのだ。なぜ、このような事態になったのかというと……。 - なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。 - 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.