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国の支援も手遅れ……「就職氷河期第一世代」の女性が味わった絶望とは:ロスジェネ女子の就職サバイバル(4/4 ページ)
今更ながら国が支援を始めた就職氷河期世代。その女性たちが味わった就職や仕事の苦難は実は多様だ。「第一世代」の女性は果たしてどんな人生をたどったか?
「ロスジェネたった10人」を採用する厚労省
ある同期の氷河期世代の女性は、『固定給』という違法労働の名のもと、朝9時から夜12時まで寝る間もないほどに働かされた。残業代も出ない。その苦境を父親に相談したら、『石の上にも三年だよ』とあしらわれたという。
今でこそ毎日のように氷河期世代支援のニュースが巷(ちまた)を賑わせているが、年功序列が当たり前だった親世代は、無慈悲なほどにロスジェネの現状に無理解だった。ブラック企業で挫折しても、『怠け者』と親や親戚から攻め立てられ、ひきこもるようになったロスジェネ世代も数えきれないほどにいる。そのツケは、8050、7040問題として社会に表出してきている。ロスジェネの受けてきた仕打ちは理不尽極まりない。
厚生労働省は、就職氷河期世代の10人を採用するらしい。たった10人! 採用されるのは、氷河の上をスケートでもする超エリートなのだろうと皮肉りたくもなる。時すでに遅しだが、国の対策はもちろん、この世代に対して社会の見方も変化する時期を迎えているのではないだろうか。
筆者よりお知らせ :連載「ロスジェネ女子の就職サバイバル」では、実際に就職やキャリア遍歴で苦労や悩みを抱えたロスジェネ世代(1970年〜1982年生まれ)の女性で、お話を伺える方を募集しております。lossgenesearch@gmail.comまでお寄せいただければ幸いです。
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