中国の2大インターネット企業といえば、「アリババ(阿里巴巴)」と「テンセント(騰訊)」だ。前回紹介したアリババに続き、今回はテンセントについて、直近の決算情報(2019年第3四半期)などから、どんな企業か読み解いていこう。
テンセントは、中国のインターネット黎明期の2000年代前半より、インスタントメッセンジャー「QQ」で一躍有名になった企業であり、同じくインスタントメッセンジャーの「WeChat(微信)」でSNSの王者となった企業だ。PCやスマートフォン向けのオンラインゲームや、動画や音楽などのコンテンツ配信にも非常に強い企業である。
かつては中国内外のサービスを頻繁に模倣し、中国国内からも多くの批判を受けていたが、現在は人気ゲームを続々とリリース。正規版コンテンツを配信する企業として知られている他、キャッシュレス決済サービス「WeChatPay(微信支付)」でフィンテックを普及させるなど、金融分野でも活躍。さらに、さまざまなアプリを個別にインストールしなくても、WeCaht上で起動できるミニアプリ(微信小程序)を真っ先に普及させ、中国のインターネットを代表する企業となっている。
関連記事
- 今年中国企業で最も目立った「アリババ」 その1年を振り返る
- 「アズールレーン」席巻 大躍進「中華ゲーム」のヒミツ
艦船擬人化スマホゲーム「アズールレーン」が注目されている。実はこのゲーム、日本国内でヒットしているものの、開発元は中国企業だ。続々と上陸する中華圏発のゲームアプリに迫る。 - GAFAと国家が個人データを巡り激突する時代 国民にその自覚はあるか
日本でも、GAFAをはじめとしたデジタル・プラットフォーマーへの規制が本格的に検討され始めている。一方で、ほぼ同じ時期に、マイナンバーカードを健康保険証として使えるようにすることが閣議決定された。ここから見えてくるものとは……? - 「ひ孫会社」まで登場 ヤフーとLINE、複雑すぎる経営統合の図式
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.