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堀江貴文が“炎上上等”で「ホリエモン万博」開催に奮闘する理由――知られざる「六本木の衰退」に一石「信者ビジネス」との批判に反論(1/3 ページ)

ホリエモンこと堀江貴文がさまざまなイベントを同時多発的に開催する「ホリエモン万博」を2月1日、2日に東京・六本木で開催する。「赤字続き」だという万博の開催を続ける目的を堀江に問うと、経営者の高齢化などにより古き良き飲食店がなくなりつつあり、一部で衰退の兆しが見える六本木を、大人が楽しめる街として盛り上げることにあるという。堀江自身がその思いを語った。

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 ホリエモンこと堀江貴文が、各界の著名人を招いたトークイベント「怒涛(どとう)のトークショー」など多くのイベントを同時多発的に開催する「ホリエモン万博2020 節分まつりin 六本木」(以下、ホリエモン万博)を2月1日、2日に東京・六本木で開催する。

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赤鬼と青鬼含むゴレンジャーの鬼と映る堀江貴文。鬼のお面は堀江の顔を3Dスキャンしたものを基に『進撃の巨人』でも特殊メイクを手掛けたデザイナーJIROが造ったという。「ホリエモン万博」では、この鬼たちと堀江が六本木のいろいろな場所を練り歩く(以下、撮影:山崎裕一)

 今回で4回目となる「ホリエモン万博」は、堀江のオンラインサロンである堀江貴文イノベーション大学校(以下、HIU)のメンバーが運営を担う。HIUは月会費1万1000円、1500人程度が入会するオンラインサロンだが、堀江に反感を持つ人々からは「信者ビジネス」とたびたび批判されてきた。しかし、堀江が運営する「ホリエモン万博」のビジネスの状況を尋ねると、これまで赤字続きだという。

 それでも万博の開催を続ける目的を堀江に問うと、経営者の高齢化などにより古き良き飲食店がなくなりつつあり、一部で衰退の兆しが見える六本木を、大人が楽しめる街として盛り上げることにあるという。堀江自身がその思いを語った。

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堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年福岡県八女市生まれ。実業家。SNS media&consultingファウンダーおよびロケット開発事業を手掛けるインターステラテクノロジズのファウンダー。現在は宇宙関連事業、作家活動のほか、人気アプリのプロデュースなどの活動を幅広く展開。2019年5月4日にはインターステラテクノロジズ社のロケット「MOMO3号機」が民間では日本初となる宇宙空間到達に成功した。2015年より予防医療普及のための取り組みを開始し、2016年3月には「予防医療普及協会」の発起人となり、協会理事として活動。予防医療オンラインサロン「YOBO-LABO」にも携わる。著書に『健康の結論』(KADOKAWA)『むだ死にしない技術』(マガジンハウス)『ピロリ菌やばい』(ゴマブックス)など多数

六本木の「衰退」と「文化の途絶」に歯止めをかけたい

 「六本木は割といい感じのお店がたくさんある大人の遊び場みたいな感じでした。それが少子高齢化の影響を受けて、昔からあるお店、特に雑居ビルの空中階にあるお店はどんどん歯抜けのようになくなっています。いまいち盛り上がりに欠けて、チェーン居酒屋が台頭している状況を変えていきたい。古き良き六本木をずっと守っていきたい」

 そう語るのは、実業家のホリエモンこと堀江貴文。東京・六本木の雑居ビルにある老舗ジャズレストラン「JAZZ RESTAURANT SATIN DOLL(サテンドール)」で1月24日に「ホリエモン万博」の記者会見が開かれ、堀江が開催の目的を自ら語った。

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「チェーン居酒屋が台頭している状況を変えていきたい。古き良き六本木をずっと守っていきたい」と語った。テーブルに載っているのは堀江が関わったオリジナルラベルの日本酒、純米大吟醸「想定外」

 「ホリエモン万博」は、2月1日と2日に六本木の複数の拠点で同時多発的に開催される街フェスで、今年で4回目となる。今回は、堀江と著名人との「怒涛のトークショー」や、豪華ゲストが一夜限りのスナックを開く「スナックまつり」などのトークイベントを柱に音楽や「eFootball ウイニングイレブン 2020」などのeスポーツ、1トンの豆まきなど、30以上のコンテンツが繰り広げられる。

 大きな目的のひとつは、冒頭の堀江の発言にあるように、六本木の飲食店を盛り上げることにある。港区政策創造研究所が2017年に実施した、六本木を含む「港区における商店街・商店等実態調査」によると、店舗経営者や店長の年齢は、約6割が50歳代以上と高齢化が進んでいる。

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六本木を含む港区の店舗経営者や店長の年齢を調べると「約6割が50歳代以上」であり、高齢化が進んでいた(以下、資料は港区政策創造研究所「港区における商店街・商店等実態調査」より)

 さらに経営上の課題を複数回答可で20項目にわたって聞いたところ、最も多かった回答は「新たな顧客・販売先の開拓」で、5割以上の経営者が課題に挙げている。また、「自店の効果的なPR」も2番目に多い。東京屈指の繁華街であっても、経営者の高齢化と、それに伴う新たな顧客の確保や自店のPRがビジネス上の課題になっているのだ。堀江は六本木で、その課題を肌で感じていると話す。

 「僕が感じている現象としては、雑居ビルの空中階にあるお店が突如閉店していて、どうしたのと聞いたら『店に立つのが辛くなってやめました』というケースが増えていることです。六本木は世界にもなかなかない、いい街だと思っています。六本木ヒルズやミッドタウンといった大規模商業施設の陰で、街中の店がなくなっていくと街の衰退は結構早いし、文化の途絶も急速に起きます。そうならないように多少なりとも貢献できればいいなと思います」

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経営上の課題を聞いたところ、「新たな顧客・販売先の開拓」「自店の効果的なPR」などが挙がった
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記者会見会場になった六本木の老舗ジャズレストラン、サテンドール
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サテンドール店内に並べられたワイングラス
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伝統を感じさせる掲示物が並ぶ

イベントを通じて「グルメと文化」発信

 「ホリエモン万博」のメインコンテンツはトークイベントだ。「怒涛のトークショー」には元総務大臣で東洋大学教授の竹中平蔵やOWNDAYSの田中修治社長、メンタリストとして知られるDaiGo、ひろゆきこと西村博之などが登壇し、堀江が1人あたり30〜40分程度のトークをする。人選のポイントを堀江に問うと「ミーハー人選をせず、楽しいと思う話ができる人だけをゲストに選んだ」という。

 2月1日夜に開かれる「スナックまつり」は六本木にある5カ所のスナックで開かれる。「六本木の夜の飲食店を盛り上げたい」(堀江)との趣旨だという。堀江と親交のあるゲストと、少人数の空間でディープな会話を楽しめる。編集者の箕輪厚介、ワンメディアの明石ガクト社長、漫画家の東村アキコなどがそれぞれ店内にいて、堀江も各会場を練り歩く。

 トークとともに楽しめるのがグルメと酒だ。「怒涛のトークショー」をはじめとするコンテンツの会場となっているベルサール六本木では、堀江がプロデュースする最高級和牛レストラン「WAGYUMAFIA」や、1万円の和牛ラーメンを提供するMASHI NO MASHI TOKYOをはじめ、六本木やその周辺のグルメが集結する(WAGYUMAFIAについては関連記事を参照)。さらに堀江が田植えから稲刈り、仕込みまで協力した純米大吟醸「想定外」などもそろえた。

 その中でも会場でしか買えないのが「ホリエ方巻き」だ。予約が取れない人気すし店の「すし陸」「鮨 由う」が手掛けた高級恵方巻を販売する。「すし陸」の「ホリエ方巻き」は毛蟹やのど黒、「鮨 由う」は車エビ、ホタテ、中トロあぶりなどの高級食材を使う。

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会場内で販売される恵方巻き「ホリエ方巻」。高級食材が使われている

 最高級の1万円の「ホリエ方巻き」は1日に6本限定で販売されるほか、5000円、2000円、1000円のものもある。1000円の「ホリエ方巻き」は堀江が主宰する「ゼロ高等学院」の生徒が作ったものだ。ちなみに「ホリエ方巻き」は堀江の方を向いて食べるという。

 「グルメの間では知られているんだけど、一般の人たちには知られていなかったりもするので。六本木の良いお店を知る機会になってくれるんじゃないかなと思います。あと、ほかではなかなか食べられない、スーパーでも売っていないような豪華な恵方巻。『こんなのが食べられるんだ』という驚きですね。そういったものも感じてほしいなと思います」(堀江)

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試食する堀江

 また今回はオリジナルウェディングをプロデュースするCRAZY社(東京都墨田区)のCRAZY WEDDINGとコラボして、1122万円のチケットを買った新郎新婦の結婚式も開催する。堀江が神父を務め、「想定外の式」を作り上げるという。その他、eスポーツや麻雀、中田敦彦が開発したカードゲーム「XENO(ゼノ)」など、さまざまな遊びを朝から夜まで楽しめる内容になっている。

 「ホリエモン万博全体に言えることなんですが、『劇場型人狼』だったりeスポーツだったり豆まきだったり……普段やらないようなことをたくさん体験してほしい」(堀江)

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赤鬼の面
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緑の鬼の面
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