300万円の「山崎55年」が話題のサントリー 「山崎50年」を5000円でテイスティングさせていた狙いとは:ストレートで提供
300万円(税抜)の「山崎55年」が話題になった。過去には「山崎50年」が100万円で販売されていた。山崎50年を5000円でテイスティングさせていたサントリーの狙いとは。
サントリースピリッツは「サントリーシングルモルトウイスキー『山崎55年』」(税抜300万円)を6月30日に発売する。数量は100本限定で、抽選販売となる。
「山崎」は山崎蒸溜所(大阪府島本町)のモルト原酒だけでつくられたウイスキーで、国内外での人気が高まっている。山崎55年は酒齢55年を超える長期熟成モルト原酒だけを使用しており、非常に希少な商品だという。
山崎55年が登場するまで、サントリーの最高酒齢のウイスキーは「山崎50年」だった。700ミリリットルで価格は100万円。05年に50本、07年に50本、11年に150本がそれぞれ販売されている。
テイスティングの場を設ける理由とは
実は、この希少な山崎50年をテイスティングできる場所があった。それは山崎蒸溜所にある有料のテイスティングカウンターだ。約15年前、山崎50年のストレート(15ミリリットル)を5000円で提供していたのを記者は目撃している。山崎50年の1ミリリットル当たりの価格は約1428円なので、15ミリリットルだと2万円を超える計算だ。現在も提供しているのだろうか。
広報担当者によると、もともとテイスティングカウンター向けの山崎50年は数量が限られていたため、現在は提供を終了しているという。希少なウイスキーをテイスティングできる場所は少ない。そこで「少量だけでも楽しんでもらう機会を提供する」(広報担当者)ために扱っていたという。
現在、テイスティングカウンターで提供している酒齢の高いウイスキーは「響30年」「山崎25年」「白州25年」などがある。それぞれ数量限定だが、15ミリリットルで2900円。価格については「お客さまに体験していただくためのものなので、利益を出すのが目的ではない」(広報担当者)。テイスティングカウンターでは山崎や響だけでなく、蒸溜所ならではの構成原酒など約30種類を提供している。
テイスティングカウンターのある建物内には、日本のウイスキーの歩みを紹介する展示などもある。歴史や作り方をアピールすることで、ファンを増やす狙いがある。
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