アピタ・ピアゴを“ドンキ化”したら周囲のアピタ・ピアゴが売り上げ増の謎:進むユニーとドンキ流の融合(1/2 ページ)
「ドン・キホーテ」運営会社の子会社となったユニー。ユニーが運営するアピタやピアゴがどんどん“ドンキ化”している。ある店舗を業態転換したところ、周囲の既存店の売り上げが増える傾向が強まっている。
「ドン・キホーテ」などを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が、総合スーパーの「アピタ」と「ピアゴ」をどんどん“ドンキ化”している。一方で、“ドンキ化”した店舗の周辺にあるアピタとピアゴの売り上げが増える現象が起きているという。どういうことなのか。
業態転換後には業績が好調
PPIHは2022年中をめどに、ユニーが運営する約100店舗のアピタとピアゴを「MEGAドン・キホーテUNY」や「ドン・キホーテUNY」に業態転換する方針を掲げている。ドンキとユニーの強みを融合させるのが目的だ。
2018年に業態転換した6店舗の業績をみると、売上高が132億円、客数が637万人だった(17年3月〜18年2月)。業態転換後は売上高が259億円、客数が1084万人に増えた(18年3月〜19年2月)。赤字だった営業利益も4.8億円の黒字になった。
19年に業態転換した23店舗も、売上高と客数が伸びている。18年2〜12月の売上高は203億円、客数は965万人だったのに対し、業態転換後(19年2〜12月)は売上高が344億円、客数が1373万人に増えた。粗利益高も46億円から72億円に増えている。
業態転換後には売り上げ構成比も大きく変わっている。売り上げ全体の7割弱を占めていた食料品の比率が低下し、家電、日用雑貨、スポーツ・レジャー用品の売り上げ比率が増えている。業態転換後は「ニューファミリー」「若年層」「男性客」の客層が増えたという。このように、業績面を見れば業態転換は成功しているといえる。
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