橋下徹が語る「究極の人間関係術」――集団内の「権力者」を見極めよ:橋下徹“異端”の仕事術【2】(2/5 ページ)
この連載では大阪府庁、大阪市庁という巨大組織を率いたリーダー、橋下徹の仕事術をお届けする。組織を変革し、停滞の一途をたどっていた大阪を、圧倒的な実行力で立て直してきた橋下の働き方についての考え方に迫る。第2回目は、組織の中でうまく立ち回るために、集団内の「権力者」を見極めるべきだと主張する橋下に、「人間関係術」について語ってもらった。
我慢できなければ職場を変えればいい
特に現代では、定年まで1社で勤め上げることが一般的ではなくなりつつあります。会社員という属性を持たずにフリーランスで働く人も増えるなど、生き方も働き方もどんどん多様化しており、転職や独立のハードルも、ひと昔前では考えられなかったほど低くなっています。だから目の前の人間関係に思い悩む必要はなく、我慢できなければ職場を変えればいいのです。
そうはいっても転職市場は厳しいし、せっかく入った会社を簡単には辞められないと思ってしまう人には、目の前の人間関係を「割り切る」心もちをすすめます。先ほども述べたように、人間関係はときとともに必ず移り変わるものです。それはネガティブな意味ではなく、「人は、必ず新しい人と出会うようにできている」ということ。だから、今あなたの目の前に存在する嫌な相手だって、ただ現時点においてあなたの目の前にいるだけであって、いずれ関係なくなっていく人なんだと割り切ってみてください。
目の前の人間関係にとらわれず、懸命に自分の仕事に取り組めば、必ず自分の商品価値が高まってくるはずです。そのような実力者を、あえて嫌な気持ちにさせるような人は、社会においてほとんどいません。実力ある人には、おべんちゃらを使う人がほとんどです。
ある意味、人間関係に思い悩んでしまうというのは、自分の商品価値がそれほど高まっていないということでもあるのです。そして社会人としての仕事は、あくまでも「結果」が重んじられます。結果を出せるようになればあなたの商品価値が高まり、あなたを煩わせる人間関係などは雲散霧消していきます。そういう意味では、結果は重視されず、よく分からない感情的なものだけに左右される学校の人間関係よりも、会社における人間関係のほうが、よほどシンプルで対処しやすいといえるでしょう。
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