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2020年1月の「チャイナリスク」関連倒産は6件 2月以降は新型コロナウイルスの影響で拡大か
新型コロナウイルスが中国を中心に感染が拡大しており、日系企業を含めて多くの企業が工場の稼働停止や事務所、店舗の休止に追い込まれている。
東京商工リサーチの調査によると、2020年1月の「チャイナリスク」関連倒産は6件(前年同月比200%増)で、2カ月ぶりに前年同月を上回ったことが分かった。負債総額は7億2800万円(同39.2%減)だった。
19年通年(1〜12月)でみると36件で前年比25.0%減と下回ったが、20年1月は大幅に増加しており、チャイナリスクの影響が注目される。
「チャイナリスク」関連倒産は、これまで現地の人件費高騰などによる「コスト高」、安価製品との競合による「価格競争」を要因とするものが多かった。しかし、1月は中国の規制変更に伴う倒産が2件発生し、経営に影響を及ぼす「チャイナリスク」の内容が変化しつつあることが分かる。
具体的には、17年から段階的に中国が廃プラスチックや古紙などの廃棄物の輸入制限を強化したことで、取引が大幅に低下し経営に行き詰まったケースや、中国が古紙を輸入制限したことによる古紙相場の下落が経営を直撃したケースが挙げられるという。
こういった規制変更に加え、現在は新型コロナウイルスが中国を中心に感染が拡大しており、日系企業を含めて多くの企業が工場の稼働停止や事務所、店舗の休止に追い込まれている。2月以降、さらなるチャイナリスクの拡大はほぼ必至という状況だ。
20年は、日本だけでなく世界規模で、中国進出や取引傾注のリスクが顕在化する年になる可能性がある。
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