アマゾンを超越し続ける「ザッポス」という存在(1/4 ページ)
今から10年ほど前に『ザッポスの奇跡』という本を書いた。当時、アメリカのビジネス界に旋風を巻き起こしていた「ザッポス」という靴のネット通販会社の「企業文化戦略」についての本だ。ザッポスはどのようにして、あのアマゾンに「負け」を認めさせるに至ったのか。
著者プロフィール:
南カリフォルニア大学修士課程卒業。米国企業でNASAプロジェクトなどに関わり経験を積んだ後、82年にダイナ・サーチ、インクを設立。以来、ロサンゼルスを拠点に、日米間ビジネスのコンサルティング業に従事している。著書に「アメリカで『小さいのに偉大だ!』といわれる企業の、シンプルで強い戦略」(2016年4月、PHP研究所)、「未来企業は共に夢を見る〜コア・バリュー経営〜」(2013年3月発売)、「ザッポスの奇跡 改訂版 - アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略」、「顧客の時代がやってきた!売れる仕組みに革命が起きる」などがある。
今日は、ずばり、ザッポスの話をする。
今から10年くらい前のこと、私は、『ザッポスの奇跡』という本を書いた。当時、アメリカのビジネス界に旋風を巻き起こしていた「ザッポス」という靴のネット通販会社の「企業文化戦略」についての本だ。
より正確にいえば、私とザッポスとの出会いは、ザッポスがブレークするちょっと前、まだ、「ザッポス」という社名が、アメリカのビジネス界においてもまだ比較的無名だった頃だった。幸いなことに、ラスベガスで開催された『コミュニティ2.0』というテクノロジー寄りのカンファレンスで、ザッポスの若きカリスマCEO、トニー・シェイのスピーチを聴く機会に出くわした。
「ザッポスでは、企業文化を戦略としてWOW(驚嘆)のサービスを顧客に提供し、創設から10年間で年商1000億円に手が届く企業に成長した」
という意味のことを型破りのサービスの逸話を交えながら飄々(ひょうひょう)と語るトニーに魅了され、スピーチが終わるなりあいさつをして、ザッポスを見学に行く約束を取り付けたのだった。2008年5月のことだ。
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