2015年7月27日以前の記事
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「ノーベル賞は過去の栄光」――三菱ケミカルHD小林喜光会長が語る「日本が“2流国”に転落しないための処方箋」三菱ケミカルHD小林喜光会長が斬る(前編)(4/4 ページ)

「技術立国ニッポン」が揺らいでいる。AIや5Gなどの先端分野では中国が日本のはるか先を走り、「ものづくり」で高度経済成長を牽引した日本企業の存在感は低下している。そんな中で、日本はどのような科学技術政策を取っていけばいいのだろうか。経済界を代表する論客の一人である小林喜光・三菱ケミカルホールディングス会長(経済同友会前代表幹事)に、日本の技術の現状と求められる対応策を聞いた。

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若手にチャンスを与えなければ「2流国」に転落

 以上が小林会長へのインタビュー内容だ。技術の立ち遅れに対する強い懸念が印象に残った。世界が注目している先端技術では、中国とはもはや周回遅れとまで言われるほどに差がついた日本だが、まだ望みは捨てられない。何とか若い人材に資金とチャンスを与えて10年、20年後の起死回生を狙ってもらいたいものだ。さもなければ、資源がなく人口も減少に向かう日本は技術立国どころか、先進国ではない「2流国」に転落してしまうかもしれない。

 小林会長が指摘するように、日本メディアのノーベル賞受賞に対する幼稚な報道ぶりが目立つ。授賞式にどんなドレスで参列したのかといったことや、晩餐会のメニューをこれみよがしに伝えるのは滑稽としか言いようがない。

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