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橋下徹が語る新時代の働き方「自分の価値を高め続けられない人は“淘汰”される」橋下徹“異端”の仕事術【7】(4/5 ページ)

大阪府庁、大阪市庁という巨大組織を率いたリーダー、橋下徹の仕事術をお届けする。組織を変革し、停滞の一途をたどっていた大阪を、圧倒的な実行力で立て直してきた橋下の働き方についての考え方に迫る。第7回目は、これからの時代の働き方について、橋下に持論を語ってもらった。

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自分軸にこだわるな

 強みを増やす、カードを増やすというと、「まず自分の軸を定めることが大事だ」などという声が聞こえてきそうですが、僕は、そうである必要はないと考えています。その発想だと、ともすれば自分に限界を設けたり、特定分野だけにこだわりすぎて視野が狭くなったりと、巡ってくるチャンスをかえって狭めてしまいかねないからです。

 一つの強みだけをひたすら追求する時代は、もう終わったといっていいでしょう。この流れは、今後さらに加速していくはずです。だとしたら、いっそ節操がないというくらい、いろんなことに触れて、チャレンジしてみたほうがいいのです。

 実際、いろんなことに触れてチャレンジしてみた結果、「これが自分の軸だ」と思っていたこと以外が自分の強みになっていくことがあるし、むしろそのほうが多い。少なくとも僕は、自分の人生経験からそう感じています。僕自身、「自分は弁護士だ」と考えてきましたが、今では弁護士としての仕事以上にコメンテーター、講演会の講師、政策・改革アドバイザーの仕事に強みを持つようになりました。

 もし僕が、「自分は弁護士だ」という点に固執していたら、今のような仕事の広がりはなかったと思います。あくまでも弁護士という立場から話したり書いたりすることにこだわってしまえば、そこから広がらないし、いろんな仕事を引き受けたために弁護士の仕事のウェイトが低くなる、などということは避けようとしていたでしょう。

 いろいろな強みを持ったら、その中で主従を決める必要はありません。複数ある自分の強みのうち、どれかを選択するのは自分ではありません。それは仕事の依頼主だったり、お客さんだったり、相手が選択するものです。

 ある場面でAという強みを求められたかと思えば、別の場面ではBという強みを求められる。これが、強みを複数持つということです。巡ってきたチャンスをつかみ、仕事の依頼主やお客さんによって異なる要望に最大限応えようと思えば、自分の強みやカードに主従を設けることは百害あって一利なしです。

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いろいろな強みを持ったら、その中で主従を決める必要はない(写真提供:ゲッティイメージズ)

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