2015年7月27日以前の記事
検索
連載

元国税専門官が明かす確定申告の極意 「内容を間違えていても、期限内に申告すべき理由」元国税専門官が教える『確定申告、得なのはどっち?』(2)(3/4 ページ)

今年も確定申告の時期が到来した。税金の仕組みは複雑で、「どっちが正解?」と迷うことが少なくない。だが1つ判断を間違うと、税金が高くなってしまうこともある。東京国税局に勤務していた元国税専門官が、こうした確定申告にまつわる迷いやすいポイントを3回に分けて解説していく。2回目は「内容が間違えていても、期限は守る」と「正しい申告書を作って、期限後に出す」という選択で、どちらがベターなのかを解説する。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

納税と確定申告のやり直しはお早めに 

 このように、間違いがあったとしても期限内に確定申告をしておくべきですが、当然ながら間違いを放置しておくわけにはいきません。できれば、税務署から指摘を受ける前に、自ら確定申告のやり直し(修正申告)をしておきましょう。

 もし自ら修正申告を行ったのであれば、過少申告加算税はかかりません。過少申告加算税がかかるのは、税務署から調査の通知が来た日以後ですから、その前に修正申告を出す場合は、対象外になるのです。しかし、確定申告の期限を破ってしまった場合、調査の通知が来る前に自ら確定申告をしても、最低5%の無申告加算税が課されます。

 さらにもうひとつ、忘れてはならないのが、毎年3月15日(休日の場合は翌日)は確定申告の期限であると同時に、納税の期限でもあるという点。たとえ期限内に正しい確定申告をしたとしても、納税が遅れれば「延滞税」という別の追徴税が課されます。

 期限内に申告をしておいたほうがいいというのは、延滞税の側面からも言えます。なぜなら、たとえ計算した税額が間違えていたとしても、期限内に確定申告をして、その金額を納税しておけば、未納の税額を少なくすることができるからです。

 例えば、所得税80万円で確定申告をして納税をしていたとしましょう。このときに正しい税額が100万円だったのであれば未納税額は20万円です。そうすると延滞税は20万円を基礎に計算されます。ところが、期限内に一切申告をしていなかったとしたら、当然納税もできませんから、結果として100万円が未納になります。延滞税は100万円をベースに計算されるのです。

photo
期限内に確定申告をして、その金額を納税しておけば、未納の税額を少なくすることができる(写真提供:ゲッティイメージズ)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る