コラム
ビジネスパーソンに「第3の場」は必要なのか(1/3 ページ)
昔は先輩たちが、仕事が終わるといろいろな店に連れていってくれ、社内外の人を紹介してくれ、若手ビジネスマンの人脈が広がっていった。いまのビジネスパーソンにはそうした場はあるのだろうか。家でも職場でもない、ビジネスパーソンの第3の場とは。
著者プロフィール:猪口真(いのぐち・まこと)
株式会社パトス代表取締役。
古い世代の多くのビジネス戦士たちは、大半の時間を会社(仕事)で費やし、夜は取引先や同僚と会社の近くの繁華街で痛飲し(あるいは麻雀)、家は寝るだけ。たまの休みには、取引先とのゴルフ。何もなければ近くのパチンコ店で過ごす。とはよく聞いた話だ。(今の20代のビジネスパーソンにとってはオヤジ世代だが……)
ところが、バブルがはじけ、接待費が急激に減り、それでもなんとか持ち直したかと思った矢先にリーマンショックが訪れ、さらに状況はひどくなり、実質的な収入は目減りするばかりとなった。
そこに今度は「働き方改革」だ。残業が禁止となり、会社にいることはできず、しかも、昔ほど仕事もないから、夕方以降はひまだ。会社の経費も抑えられ、使うことができないから、取引先との接待もなければ、ゴルフもない。給料は下がっているので、休日はゴルフどころか身銭きって飲みに行くのもままならなくなってきた。
若い人たちにはよくわからないかもしれないが、こういう状況の人は相当数いるはずだ。
一時、「フラリーマン」と呼ばれ、5時に会社を出されたあと、行く当てもなく、ネットカフェやゲームセンター、激安居酒屋チェーンなどで時間をつぶすサラリーマンが増えているといわれたこともあった。要するに、会社ごとの夜の時間がなくなったため、することがないのだ。
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