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三菱ケミカルHD小林喜光会長「リスクを取らないトップは去れ」三菱ケミカルHD小林喜光会長が斬る(後編)(5/5 ページ)

経済界を代表する論客の1人、三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長に、日本が「技術立国」であり続けるための対策や、その状況下で日本企業がどのように生き残っていけばいいのかを聞いた。小林会長は政府の科学技術政策の基本方針を決める総合科学技術・イノベーション会議の議員でもある。インタビューの話題は、トップがリスクを取らない日本の企業文化への批判に加え、大学や企業の研究の在り方、研究者の目指す方向性など多岐にわたった。

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前例踏襲主義で生き延びることはできない

 以上が小林会長へのインタビュー内容だ。

 小林会長が抱く日本の学生への期待感や、新しい技術開発によってDXを推進しようとする意気込みの強さを感じた。会長は入社以来、研究所勤務から記憶材料事業の責任者、その後に研究開発担当役員と、同社の歴代社長とは全く異なる経歴を歩んできたという。大企業の三菱ケミカルHDをデジタルの新しい時代に適応させようと、次々に新しい施策を打ち出し、先行しようとしている。

 特に顕著なのが、外国人を含めた外部人材の積極的な活用だ。三菱グループの中核企業なので、純血主義が残っているのかと思っていたが、グループの中でも外部人材を最も活用している企業の一つになっている。それを思うと、相変わらず日本的人事制度にしがみついて、前例踏襲主義で生き延びようとしている企業の何と多いことか。

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