経営コンサルティング会社のデロイト トーマツ グループは、経営企画や法務、総務、国際管理、内部監査等の部門に所属する企業担当者を対象に「内部通報制度の整備状況に関する調査」を実施し、2019年版の結果を発表した。調査は上場企業322社を含む405社から有効回答を得たもの。
調査結果によると、96.3%の企業は内部通報窓口を設置していることが分かった。海外拠点からの通報を受け付ける窓口も41.7%の企業が設置しており、内部通報制度は着実に浸透していることが明らかになった。
一方で、日本国内において通報件数は微増傾向にあるものの、通報の内容は職場での人間関係などに起因する従業員の個人的な事案に関わるものが大部分を占めた。不正に関する通報件数が1割未満の企業は全体の8割以上にのぼり、そのうち不正に関する国内通報が0件の企業も66.1%に及んだ。
また、通報の性質により窓口を分けている企業は全体の24.9%にとどまっていることが判明した。
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