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在庫はたくさんあるのに、なぜ“トイレットペーパー行列”ができたのか:スピン経済の歩き方(7/7 ページ)
先週末、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどを購入するために、ドラッグストアや量販店などで行列ができた。「デマ」と分かっているのに、なぜ多く人が並んでいたのか。筆者の窪田氏はこのように分析していて……。
「みんなを守れ」と叫びながら破滅の道
新型ウイルスばかりでパニックになっているが、これから日本にはほぼ間違いなく発生する、首都直下型地震や南海トラフ地震が控えている。梅雨になればまた水害もあるだろう。ある意味、「危機」が日常になってくるのだ。
そんな厳しい環境の中で、これまで死屍累々の「昭和型危機管理」が通用するとは到底思えない。今回のパニックを、真摯(しんし)に受け止めて、「危機が起きた際に何を犠牲にして、何を守るべきなのか」という優先順位を決めておかなければ、「みんなを守れ」と叫びながら破滅の道を歩むだけなのではないか。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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